乙:今日の問題は、伊藤塾2024年予備試験全国公開短答模試行政法第15問ウです。
行政裁量に関する(中略)
ウ.原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分において、行政庁の判断が、専門技術的な調査審議及び判断を基にしてされたものである限り、当該行政庁の処分は、裁判所の審理、判断の対象とはならない。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:You got me hypnotized when you’re next to me
I can’t lie my mind
Has gone a little wild making me believe
出典:https://youtu.be/501CoAJFrkc?feature=shared
感想:アルクによると、go wildは、熱狂する、などの意味です。
乙:最判平成4年10月29日は
「 原子炉を設置しようとする者は、内閣総理大臣の許可を受けなければならないものとされており(規制法二三条一項)、内閣総理大臣は、原子炉設置の許可申請が、同法二四条一項各号に適合していると認めるときでなければ許可してはならず(同条一項)、右許可をする場合においては、右各号に規定する基準の適用については、あらかじめ核燃料物質及び原子炉に関する規制に関すること等を所掌事務とする原子力委員会の意見を聴き、これを尊重してしなければならないものとされており(同条二項。なお、昭和五三年法律第八六号による改正により、実用発電用原子炉の設置の許可は被上告人の権限とされ、同法附則三条により、右改正前の規制法の規定に基づき内閣総理大臣がした右原子炉の設置の許可は、被上告人がしたものとみなされることとなった。)、原子力委員会には、学識経験者及び関係行政機関の職員で組織される原子炉安全専門審査会が置かれ、原子炉の安全性に関する事項の調査審議に当たるものとされている(原子力委員会設置法(昭和五三年法律第八六号による改正前のもの)一四条の二、三)。
また、規制法二四条一項三号は、原子炉を設置しようとする者が原子炉を設置するために必要な技術的能力及びその運転を適確に遂行するに足りる技術的能力を有するか否かにつき、同項四号は、当該申請に係る原子炉施設の位置、構造及び設備が核燃料物質(使用済燃料を含む。)、核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含む。)又は原子炉による災害の防止上支障がないものであるか否かにつき、審査を行うべきものと定めている。原子炉設置許可の基準として、右のように定められた趣旨は、原子炉が原子核分裂の過程において高エネルギーを放出する核燃料物質を燃料として使用する装置であり、その稼働により、内部に多量の人体に有害な放射性物質を発生させるものであって、原子炉を設置しようとする者が原子炉の設置、運転につき所定の技術的能力を欠くとき、又は原子炉施設の安全性が確保されないときは、当該原子炉施設の従業員やその周辺住民等の生命、身体に重大な危害を及ぼし、周辺の環境を放射能によって汚染するなど、深刻な災害を引き起こすおそれがあることにかんがみ、右災害が万が一にも起こらないようにするため、原子炉設置許可の段階で、原子炉を設置しようとする者の右技術的能力並びに申請に係る原子炉施設の位置、構造及び設備の安全性につき、科学的、専門技術的見地から、十分な審査を行わせることにあるものと解される。
右の技術的能力を含めた原子炉施設の安全性に関する審査は、当該原子炉施設そのものの工学的安全性、平常運転時における従業員、周辺住民及び周辺環境への放射線の影響、事故時における周辺地域への影響等を、原子炉設置予定地の地形、地質、気象等の自然的条件、人口分布等の社会的条件及び当該原子炉設置者の右技術的能力との関連において、多角的、総合的見地から検討するものであり、しかも、右審査の対象には、将来の予測に係る事項も含まれているのであって、右審査においては、原子力工学はもとより、多方面にわたる極めて高度な最新の科学的、専門技術的知見に基づく総合的判断が必要とされるものであることが明らかである。そして、規制法二四条二項が、内閣総理大臣は、原子炉設置の許可をする場合においては、同条一項三号(技術的能力に係る部分に限る。)及び四号所定の基準の適用について、あらかじめ原子力委員会の意見を聴き、これを尊重してしなければならないと定めているのは、右のような原子炉施設の安全性に関する審査の特質を考慮し、右各号所定の基準の適合性については、各専門分野の学識経験者等を擁する原子力委員会の科学的、専門技術的知見に基づく意見を尊重して行う内閣総理大臣の合理的な判断にゆだねる趣旨と解するのが相当である。
以上の点を考慮すると、右の原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の専門技術的な調査審議及び判断を基にしてされた被告行政庁の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水準に照らし、右調査審議において用いられた具体的審査基準に不合理な点があり、あるいは当該原子炉施設が右の具体的審査基準に適合するとした原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、被告行政庁の右判断に不合理な点があるものとして、右判断に基づく原子炉設置許可処分は違法と解すべきである。 」
と、判示しています。
したがって、上記記述は、誤りです。