乙:There is one question I'd really like to ask (One soul)
Is there a place for the hopeless sinner
Who has hurt all mankind just to save his own?
出典:The Wailers – One Love Lyrics | Genius Lyrics
感想:askの意味に着目します。
今日の問題は、新司法試験平成20年刑事系第16問2と4です。
A. 器物損壊罪の「損壊」とは,物の効用を害する一切の行為をいう。信書隠匿罪は,物の「損壊」のうち,信書の「隠匿」を軽く処罰する規定である。信書を「隠匿」した場合には,信書隠匿罪が成立する。
B. 器物損壊罪の「損壊」とは,物の効用を害する一切の行為をいう。信書隠匿罪は,信書の「損壊」を軽く処罰する規定である。信書を「損壊」した場合には,信書隠匿罪が成立する。
C. 器物損壊罪の「損壊」とは,物の効用を害する行為のうち,物の全部又は一部を物理的に破壊するものをいう。信書隠匿罪は,信書の「隠匿」を処罰する規定である。信書を「隠匿」した場合には,信書隠匿罪が成立する。
2. Bの見解によれば,他人の信書を隠した場合には,器物損壊罪が成立する。
4. Cの見解によれば,他人の信書を破った場合には,器物損壊罪が成立する。
甲先生、よろしくお願いします!
甲:刑法261条は
「前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」
同法263条は
「他人の信書を隠匿した者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」
と、規定しています。
2について
「毀棄の意義に関する効用侵害説からは,隠匿も毀棄に含まれることになるから,信書隠匿罪は,信書についてその非物理的毀棄をとくに軽く処罰したものと解されることになる(したがって,信書を物理的に毀棄した場合には,器物損壊罪が成立する)。」
山口厚『刑法』358-359頁
4について
「毀棄の意義に関する物理的損壊説からは,隠匿は毀棄には含まれないから,本罪は,信書についてその隠匿をとくに処罰する,器物損壊罪の拡張規定と解されることになる。」
同358頁
したがって、上記記述は、2が誤りで、4が正しいです。