刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1204

乙:It was over my head

 

出典:A Great Big World – Say Something Lyrics | Genius Lyrics

 

感想:over my headは頭の上まで水が来ているイメージで、どうすることもできない状況。

 

今日の問題は、新司法試験平成21年民事系第69問2と3です。

 

次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし,前訴確定判決の既判力が後訴の請求に関する判断に作用しないもの(中略)
2.取得時効を認めて,甲土地が原告の所有であることを確認する前訴判決が確定した後に,前訴の被告が時効の中断を主張して,前訴の原告に対して,甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴
3.売買契約によって被告から甲土地を取得したことを理由に,原告の所有権移転登記手続請求を認める前訴判決が確定した後に,前訴の被告が前訴の原告に対して,当該売買契約に錯誤があったとして,甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴

 

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

こ、甲先生!?

 

甲:ねぎだくぎゅうどん。。

 

乙:2について

 

「前訴判決と後訴の訴訟物が矛盾対立関係にある場合とは、(中略)XのYに対する所有権確認請求で敗訴した被告Yが同一物の所有権確認請求でXに対して再訴する場合とかがその例である。訴訟物すなわち訴訟上の請求は、後者の例で言えば、前訴ではXのYに対する所有権確認請求であり後訴ではYのXに対する所有権確認請求であって主体がXとYというように異なるので、これらを訴訟物同一とは考えず矛盾対立関係とするのが今日の通常の理解である。既判力が働くため、原則として後訴は請求棄却となる。」

 

 高橋宏志『重点講義 民事訴訟法 上〔第2版補訂版〕』595頁

 

 

3について

 

「判決理由中の判断には既判力が生じないという立場を日本法は採ったのである。が、しかし、この規律は、やや行き過ぎの面がないでもない。たとえば所有権に基づく登記請求、妨害排除請求などにあっても、訴訟上の請求は登記請求権、妨害排除請求権でありそこには既判力を生ずるが、これらの訴訟の主たる争点である所有権については判決理由中の判断であって既判力を生じないことになるからである。」

 

同631頁

 

 

したがって、上記記述は、2は作用し、3は作用しません。