刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1447

乙:More things than are dreamed about
Unseen and unexplained

出典:https://www.rush.com/songs/mystic-rhythms/

感想:dreamの過去分詞形にはdreamtもあり、発音注意です。


今日の問題は、予備試験平成28年商法第30問エとオです。

エ.判例の趣旨によれば,手形の所持人が,支払呈示期間内に,振出日が白地である確定日払の手形を,白地を補充しないで支払のため呈示し,支払を拒絶された場合には,支払呈示期間経過後に白地を補充したとしても,遡求をすることができない。
オ.判例の趣旨によれば,約束手形の振出人に対する満期前の手形金請求訴訟の提起又は当該訴訟に係る訴状の送達は,裏書人に対する満期後の遡求権行使の要件である支払のための呈示としての効力を有しない。


甲先生、よろしくお願いします!


甲:エについて、最判昭和41年10月13日は

「いわゆる白地手形は、満期にこれを支払のため呈示しても、裏書人に対する手形上の権利行使の条件が具備しないのであつて、後日右白地を補充しても、右呈示が遡つて有効になるものでないことは、当裁判所の判例とするところである(昭和三一年(オ)第五二九号、同三三年三月七日第二小法廷判決,民集一二巻三号五一一頁参照)。所論は、確定日払の約束手形においては、振出日の記載は手形上の権利の内容の確定のために必要でないから、その記載のない手形もこれを無効と解すべきでない旨主張するが、手形法七五条、七六条は、約束手形において振出日の記載を必要とするものとし、手形要件の記載を欠くものを約束手形としての効力を有しないものと定めるにあたり、確定日払の手形であるかどうかによつて異なる取扱いをしていないのであつて、画一的取扱いにより取引の安全を保持すべき手形の制度としては、特段の理由のないかぎり法の明文がないのに例外的取扱いを許すような解釈をすべきではない。
 上告人(原告)は、振出日白地で振り出された本件各約束手形を各満期日に白地のまま支払場所に呈示した旨を主張するのであるから、右各手形の裏書人である被上告人(被告)に対する本件手形金請求を排斥した原判決は相当である。」


オについて、最判平成5年10月22日は

「約束手形の所持人が振出人に対し満期前に将来の給付の訴えとして約束手形金請求訴訟を提起したが、口頭弁論終結前に満期が到来した場合には、裏書人に対する遡求権行使の要件として、支払呈示期間内に支払場所において振出人に対する支払呈示をしなければならないというべきであり(手形法四三条、七七条一項四号)、振出人に対する右訴訟の提起ないし訴状の送達は、裏書人に対する遡求権行使の要件である支払呈示としての効力を有しないものと解するのが相当である。けだし、支払呈示が裏書人に対する遡求権行使の要件とされているのは、最終的な支払義務者である振出人に対し支払呈示期間内に支払場所において支払呈示をすることにより、請求者が約束手形の正当な所持人であることを確知させると同時に、振出人によって支払がされるのか否かを明らかにさせる必要があるためであるところ、右の必要性は、振出人に対し将来の給付の訴えである約束手形金請求訴訟が提起され、その口頭弁論終結前に満期が到来した場合であっても異なるところはないからである。これと同旨の見解に基づき、上告人の被上告人らに対する本訴請求は遡求権行使の要件に欠けるから理由がないとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、エもオも正しいです。