乙:今日の問題は、新司法試験平成25年民事系第3問1と4です。
1.行為能力の制限を理由に取り消すことができる行為について,制限行為能力者の相手方は,
その制限行為能力者が行為能力者となった後,その者に対し,1か月以上の期間を定めて,そ
の期間内に追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができ,その場合に,その者が
その期間内に確答を発しないときは,その行為を追認したものとみなされる。
4.表意者の法定代理人が,詐欺を理由に取り消すことができる法律行為を追認した場合であっ
ても,その追認があったことを表意者本人が知らなかったときは,表意者本人は,その法律行
為を取り消すことができる。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:Time waits for no man
出典:https://youtu.be/SW09KDx3pY8
感想:アルクでは光陰矢のごとし。が訳として出ていますが、歳月人を待たず。でも良い気がしました。
乙:1について、民法20条1項は
「制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。」
と、規定しています。
4について、民法122条は
「取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。」
同法120条2項は
「錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。」
同法1条2項は
「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」
と、規定しています。
したがって、上記記述は、1が正しく、4が誤りです。