刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1818

乙:今日の問題は、司法試験平成27年憲法第16問アです。

選挙に関する(中略)
ア.衆議院議員選挙における1人別枠方式については,人口の少ない県に居住する国民の意思をも十分に国政に反映させるという目的は合理的であるが,その結果生じる投票価値の較差が過大であるから違憲である。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:The drugs set me free

出典:https://youtu.be/g0FFn7muN3M

感想:アルクによると、set ~freeで、~を解放[釈放・赦免・自由(の身)に]するなどの意味です。


乙:最大判平成23年3月23日は

「新しい選挙制度を導入するに当たり,直ちに人口比例のみに基づいて各都道府県への定数の配分を行った場合には,人口の少ない県における定数が急激かつ大幅に削減されることになるため,国政における安定性,連続性の確保を図る必要があると考えられたこと,何よりもこの点への配慮なくしては選挙制度の改革の実現自体が困難であったと認められる状況の下で採られた方策であるということにあるものと解される。
 そうであるとすれば,1人別枠方式は,おのずからその合理性に時間的な限界があるものというべきであり,新しい選挙制度が定着し,安定した運用がされるようになった段階においては,その合理性は失われるものというほかはない。」

「1人別枠方式がこのような選挙区間の投票価値の較差を生じさせる主要な要因となっていたのであって,その不合理性が投票価値の較差としても現れてきていたものということができる。そうすると,本件区割基準のうち1人別枠方式に係る部分は,遅くとも本件選挙時においては,その立法時の合理性が失われたにもかかわらず,投票価値の平等と相容れない作用を及ぼすものとして,それ自体,憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っていたものといわなければならない。そして,本件選挙区割りについては,本件選挙時において上記の状態にあった1人別枠方式を含む本件区割基準に基づいて定められたものである以上,これもまた,本件選挙時において,憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っていたものというべきである。
 しかしながら,前掲平成19年6月13日大法廷判決において,平成17年の総選挙の時点における1人別枠方式を含む本件区割基準及び本件選挙区割りについて,前記のようにいずれも憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っていない旨の判断が示されていたことなどを考慮すると,本件選挙までの間に本件区割基準中の1人別枠方式の廃止及びこれを前提とする本件区割規定の是正がされなかったことをもって,憲法上要求される合理的期間内に是正がされなかったものということはできない。
(4)以上のとおりであって,本件選挙時において,本件区割基準規定の定める本件区割基準のうち1人別枠方式に係る部分は,憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っており,同基準に従って改定された本件区割規定の定める本件選挙区割りも,憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っていたものではあるが,いずれも憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず,本件区割基準規定及び本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできない。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。