刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1846

乙:今日の問題は、司法試験平成26年民事系第34問エです。

遺産分割に関する(中略)
エ.嫡出でない子がいる母の死亡による相続について,その子が遺産の分割を請求しようとする
場合において,他の共同相続人らがその子の存在を知らないまま,既に遺産分割の協議を成立
させていたときは,その子は,他の共同相続人らに対し,価額のみによる支払の請求権を有す
る。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:Your opinions would define me

出典:https://youtu.be/72p1VhZhlMU

感想:過去の習慣を表すwouldだと思った。


乙:民法784条は

「認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。」

同法910条は

「相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。」

と、規定しています。

最判昭和54年3月23日は

「相続財産に属する不動産につき単独所有権移転の登記をした共同相続人の一人及び同人から単独所有権移転の登記をうけた第三取得者に対し、他の共同相続人は登記を経なくとも相続による持分の取得を対抗することができるものと解すべきである。けだし、共同相続人の一人がほしいままに単独所有権移転の登記をしても他の共同相続人の持分に関する限り無効の登記であり、登記に公信力のない結果第三取得者も他の共同相続人の持分に関する限りその権利を取得することはできないからである(最高裁判所昭和三五年(オ)第一一九七号同三八年二月二二日第二小法廷判決・民集一七巻一号二三五頁参照)。そして、母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知をまたず分娩の事実により当然に発生するものと解すべきであつて(最高裁判所昭和三五年(オ)第一一八九号同三七年四月二七日第二小法廷判決・民集一六巻七号一二四七頁参照)、母子関係が存在する場合には認知によつて形成される父子関係に関する民法七八四条但書を類推適用すべきではなく、また、同法九一〇条は、取引の安全と被認知者の保護との調整をはかる規定ではなく、共同相続人の既得権と被認知者の保護との調整をはかる規定であつて、遺産分割その他の処分のなされたときに当該相続人の他に共同相続人が存在しなかつた場合における当該相続人の保護をはかるところに主眼があり、第三取得者は右相続人が保護される場合にその結果として保護されるのにすぎないのであるから、相続人の存在が遺産分割その他の処分後に明らかになつた場合については同法条を類推適用することができないものと解するのが相当である。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。