刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1847

乙:今日の問題は、司法試験平成28年民法第4問アとイです。

代理に関する(中略)
ア.無権代理行為の相手方は,代理人が代理権を有しないことを過失によって知らなかったとき
は,民法上の無権代理人の責任を追及することができない。
イ.代理権は,代理人が後見開始の審判を受けたときは消滅する。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:And we'll never get it right

出典:https://genius.com/Young-and-sick-flowing-over-lyrics

感想:アルクによると、get it rightは、正しく理解する、きちんと決着をつけるの意味です。


乙:アについて、民法117条は

「他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。
二 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。」

と、規定しています。


イについて、民法111条1項2号は

「代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。」

同法102条は

「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。」

同法7条は

「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。」

と、規定しています。


したがって、上記記述は、アが誤りで、イが正しいです。