刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1853

乙:今日の問題は、司法試験平成29年民法第20問アイウエです。

債務の引受けに関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(中略)
ア.債権者Aが,債務者Bの意思に反して,引受人Cとの間で併存的債務引受の契約をした場合,その効力は生じない。
イ.債権者Aに対する債務者Bの債務について,Cを引受人とする併存的債務引受の効力が生じた場合において,Bの債務が時効により消滅したとしても,AはCに対して債務の全額を
請求することができる。
ウ.債権者Aは,債務者Bの意思に反しない場合,引受人Cとの二者間の契約により,免責的
債務引受の効力を生じさせることができる。
エ.債権者Aに対する債務者Bの債務について,Cを引受人とする免責的債務引受の効力が生じた場合には,Bの債務を担保するために第三者Dが設定していた抵当権は,Cの債務を担保することについてDの同意がない限り,消滅する。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:I got my peaches out in Georgia

出典:https://genius.com/Justin-bieber-peaches-lyrics

感想:Georgia州は桃の産地とWikipediaで読んだことがあります。


乙:アについて、民法470条2項は

「併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。」

と、規定しています。


イについて、民法441条は

「第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。」

と、規定しています。


ウについて、民法472条2項は

「免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。この場合において、免責的債務引受は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。」

と、規定しています。


エについて、最判昭和37年7月20日は

「第三者が債務者の債務につき根抵当権を設定したところ、右債務につき免責的債務引受が行われたときは、右根抵当権は、設定者の同意がない限り、債務引受をした債務者のための根抵当権とならないと解すべきであつて、債務引受をした債務者がもとの債務者の連帯保証人であつたからといつて右の結論に影響を及ぼすものではない。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、アとウが誤りで、
イとエが正しいです。