乙:今日の問題は、新司法試験平成20年民事系第21問ウとエです。
売主Xと買主Yとの間の売買契約において手付が交付された場合に関する(中略)
ウ. Yが手付を放棄して契約を解除した場合,X及びYに損害賠償義務は生じない。
エ. Xが手付による解除の抗弁を訴訟において主張する場合,Yは,XとYが解除権の留保をし
ない旨の合意をしたこと,又は,X若しくはYがXの解除の意思表示に先立ち履行に着手した
ことを再抗弁とすることができる。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:cross your fingers tell me it’s forever
出典:https://youtu.be/_6vRFbo7M0M
感想:アルクによると、cross one's fingersは〔中指を曲げて人さし指の上に重ねて十字架のような形を作って〕幸運[成功]を祈る、うまくいくように願う、神頼みするの意味です。
乙:ウについて、民法557条は
「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
2 第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない。」
同法545条4項は
「解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。」
エについて、民法557条1項は
「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。」
と、規定しています。
したがって、上記記述は、ウが正しく、エが誤りです。