乙:今日の問題は、司法試験平成26年民事系第33問イとオです。
相続人と相続の効果に関する(中略)
イ.封印のある自筆証書による遺言書が検認を経ずに開封された場合,相続に関する遺言は無効となる。
オ.判例によれば,遺言により相続分の指定がされている場合であっても,被相続人の債権者は,
法定相続人に対し,法定相続分に従った相続債務の履行を求めることができる。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:The saddest dang story that I ever did hear
About a boy meet girls but the girl loves a man
出典:https://genius.com/Grace-mitchell-tryst-lyrics
感想:アルクによると、dangはdamnの弱い形です。
乙:イについて、民法1004条3項は
「封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。」
同法1005条は
「前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。」
と、規定しています。
オについて、最判平成21年3月24日は
「遺言による相続債務についての相続分の指定は,相続債務の債権者(以下「相続債権者」という。)の関与なくされたものであるから,相続債権者に対してはその効力が及ばないものと解するのが相当であり,各相続人は,相続債権者から法定相続分に従った相続債務の履行を求められたときには,これに応じなければならず,指定相続分に応じて相続債務を承継したことを主張することはできないが,相続債権者の方から相続債務についての相続分の指定の効力を承認し,各相続人に対し,指定相続分に応じた相続債務の履行を請求することは妨げられない」
と、判示しています。
したがって、上記記述は、イが誤りで、オが正しいです。