刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 2361

乙:今日の問題は、令和3年司法試験民法第7問イです。

 

物権変動に関する(中略)
イ.Aがその所有する甲土地をBに売却した後,Bが甲土地をCに転売し,それぞれその旨の登記がされた。その後,Aは詐欺を理由としてBとの売買契約を取り消した。Cは,Aの売買の意思表示が詐欺によることを過失なく知らなかった場合,甲土地の所有権の取得を妨げられない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:hyenas tear at my mind
I hear their jagged laughter
But I’m just standing, standing at the lights
staring at the traffic while my chest grows tight

 

 出典:https://youtu.be/BZ0KTTrHtpw

 

感想:アルクによると、feel one's chest grow tightは、胸が締め付けられるような感じがする、という意味です。

 

乙:民法96条1、3項は

 

「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。」

 

同法121条は

 

「取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。」

 

と、規定しています。

 

大判昭和17年9月30日は

 

「原判決ハ被上告人先代カ昭和十一年十一月九日松井幹ノ詐欺ニ因リ同人ニ本件第一,第二目録ノ土地ヲ売渡シ即日其ノ登記ヲ為シタル後同年十一月二十一日詐欺ヲ理由トシテ該売買契約ヲ取消シタル事実及其ノ後同月二十五日松井カ上告人ヨリ五千円ヲ借受ケタル債務ノ為メ第二目録ノ上地ニ抵当権ヲ設定シ同土地ニ付代物弁済ノ予約並ニ条件附賃借権設定ヲ為シ同年十二月二日右各登記ヲ為シ又同月一日第一目録ノ土地ニ付条件附賃借権ノ設定ヲ為シ翌二日之カ登記ヲ為シタル事実ヲ認定シ斯クノ如ク右売買取消後ニ松井トノ契約ニ因リ権利ヲ取得シタリトシテ登記ヲ為シタル上告人ハ民法第九十六条第三項ノ第三者ニ該当セス従テ上告人ハ其ノ当時善意ナリシトスルモ同条項ニ依ル保護ヲ受クルコトヲ得サルヲ以テ取消ノ効果ニ因リ其ノ権利ヲ取得スルコトヲ得ス即チ其ノ登記ハ原因ヲ欠クモノナルヲ以テ上告人ニ於テ抹消登記ヲ為スヘキ義務アル旨判示シタルモノトス凡ソ民法第九十六条第三項ニ於テ詐欺ニ因ル意思表示ノ取消ハ之ヲ以テ善意ノ第三者ニ対抗スルコトヲ得サル旨規定セルハ取消ニ因リ其ノ行為カ初ヨリ無効ナリシモノト看做サルル効果即チ取消ノ遡及効ヲ制限スル趣旨ナレハ茲ニ所謂第三者トハ取消ノ遡及効ニ因リ影響ヲ受クヘキ第三者即チ取消前ヨリ既ニ其ノ行為ノ効力ニ付利害関係ヲ有セル第三者ニ限定シテ解スヘク取消以後ニ於テ始メテ利害関係ヲ有スルニ至リタル第三者ハ仮令其ノ利害関係発生当時詐欺及取消ノ事実ヲ知ラサリシトスルモ右条項ノ適用ヲ受ケサルコト洵ニ原判示ノ如クナリト雖右条項ノ適用ナキノ故ヲ以テ直ニ斯カル第三者ニ対シテハ取消ノ結果ヲ無条件ニ対抗シ得ルモノト為スヲ得ス今之ヲ本件ニ付テ観ルニ本件売買カ原判決説示ノ如ク其ノ要素ニ錯誤アルモノニアラスシテ詐欺ニ因リ取消シ得ヘキモノナリトセハ本件売買ノ取消ニ依リ土地所有権ハ被上告人先代ニ復帰シ初ヨリ松井ニ移転サリシモノト為ルモ此ノ物権変動ハ民法第百七十七条ニ依リ登記ヲ為スニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得サルヲ本則ト為スヲ以テ取消後松井トノ契約ニ依リ権利取得ノ登記ヲ為シタル上告人ニ之ヲ対抗シ得ルモノト為スニハ取消ニ因ル右権利変動ノ登記ナキコト明カナル本件ニ於テハ其ノ登記ナキモ之ヲ上告人ニ対抗シ得ヘキ理由ヲ説明セサルヘカラス然ルニ原判決ハ此ノ点ニ付何等説示スル所ナクシテ取消ニ因ル右権利変動ヲ当然上告人ニ対抗シ得ルモノノ如ク解シ上告人カ松井トノ契約ニ因リ登記シタル権利ヲ取得セサリシモノト為シ登記ハ原因ヲ欠クヲ以テ之カ抹消登記ヲ為スヘキ義務アル旨判示シタルハ理由不備ノ違法アリ原判決中上告人敗訴部分ハ破毀ヲ免レス」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。