刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 573

乙:今日の問題は、2問あります。

ア. 憲法第76条第1項に規定される「司法権」については,民事及び刑事事件の裁判権を指し,性質上本来行政権の作用に属する行政裁判は,法律上特に定める権限として裁判所の権限とされたものである。
イ. 憲法第76条第3項は,裁判官は「この憲法及び法律にのみ拘束される」と規定しているが,ここにいう「法律」には,国会によって制定される法律はもとより,政令や条例も含まれる。



甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:(ごーるでんかむいみよ。。)

乙:アについて、憲法76条1項、2項は

「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
○2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」

と、規定しています。

「行政裁判は性質上本来行政権の作用に属するという立場から、それは本来の司法権の範囲には属さないとする主張もなされたことがあるが(美濃部・原論四五六頁)、通説は、行政事件の裁判権も司法権に属するという立場で一貫している。」

野中俊彦『憲法Ⅱ』(第5版)229頁


イについて、憲法76条3項は

「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」

と、規定しています。

「「憲法及び法律」という場合の「法律」とは、形式的意味の法律に限られず、政令、規則、条例、慣習法などを含めて、およそ客観的法規範の意味に解さるべきである。」

佐藤幸治『憲法』〔第三版〕328頁


したがって、上記記述は、アが誤りで、イが正しいです。