刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 665

乙:今日の問題は

いわゆる在外邦人選挙権制限違憲訴訟上告審判決(最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決,民集59巻7号2087頁)(中略)は,在外日本国民の選挙権行使を制限する公職選挙法の規定について違憲と判断したものであるが,「仮に当該立法の内容又は立法不作為が憲法の規定に違反するものであるとしても,それゆえに国会議員の立法行為又は立法不作為が直ちに違法の評価を受けるものではない」として,立法不作為を理由とする国家賠償請求は認めなかった。

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:うんちくって。。


乙:最大判平成17年9月14日は

「立法の内容又は立法不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や,国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり,それが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには,例外的に,国会議員の立法行為又は立法不作為は,国家賠償法1条1項の規定の適用上,違法の評価を受けるものというべきである。最高裁昭和53年(オ)第1240号同60年11月21日第一小法廷判決・民集39巻7号1512頁は,以上と異なる趣旨をいうものではない。
在外国民であった上告人らも国政選挙において投票をする機会を与えられることを憲法上保障されていたのであり,この権利行使の機会を確保するためには,在外選挙制度を設けるなどの立法措置を執ることが必要不可欠であったにもかかわらず,前記事実関係によれば,昭和59年に在外国民の投票を可能にするための法律案が閣議決定されて国会に提出されたものの,同法律案が廃案となった後本件選挙の実施に至るまで10年以上の長きにわたって何らの立法措置も執られなかったのであるから,このような著しい不作為は上記の例外的な場合に当たり,このような場合においては,過失の存在を否定することはできない。このような立法不作為の結果,上告人らは本件選挙において投票をすることができず,これによる精神的苦痛を被ったものというべきである。したがって,本件においては,上記の違法な立法不作為を理由とする国家賠償請求はこれを認容すべきである。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。