刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 691

乙:甲先生は、広島について、どう思われますか?

今日の問題も、2問あります。

ウ.賃貸借契約における賃料の支払時期も,利息付きの消費貸借契約における利息の支払時期も,当事者の合意により自由に定めることができる。
エ.賃貸借契約において当事者が期間を定めなかった場合に貸主が解約の申入れをしたときは,借主は,法定の期間内は目的物を返還しなくても遅滞の責任を負わないが,消費貸借契約において当事者が返還の時期を定めなかった場合に貸主が返還を請求したときは,借主は,直ちに目的物を返還しなければ遅滞の責任を負う。


甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:かふぇ・てんぽって。。

乙:ウの前段について、民法614条は

「賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。」

と、規定しています。


「右の規定は、もとより任意規定だから、特約で變更することができる。」

我妻栄『債権各論 中巻一』471頁

前段は正しいです。

後段について、

「利息付きの消費貸借契約における利息の支払時期についても、当事者の合意により自由に定めることができる」

小濱意三「司法試験の問題と解説 2015」別冊法学セミナー no.236 158頁

後段も正しいです。


エの前段について、民法617条1項は

「当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借 一年
二 建物の賃貸借 三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借 一日」

前段は正しいです。

後段について、民法591条1項は

「当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。」

と、規定しています。

大判昭和5年1月29日は

「民法第五百九十一条第一項ニ於テ消費貸借ノ当事者カ返還ノ時期ヲ定メサリシトキハ貸主ハ相当ノ期間ヲ定メテ返還ノ催告ヲ為スコトヲ得ル旨ヲ定メタルハ借主ヲシテ返還ノ準備ヲ為サシムル為相当ニ猶予期間ヲ許与スル趣旨ニ外ナラサルカ故ニ貸主カ為ス返還ノ催告ニ於テ一定ノ日時若ハ期間ヲ明示セサリシトスルモ其ノ催告ノ時ヨリ借主カ返還ノ準備ヲ為スニ相当ナル期間ヲ経過シタル後ニ於テハ借主ハ最早之カ返還ヲ拒否シ得ヘキ理由ナク従テ履行ヲ為スヘキ時期ハ到来シ爾後借主ハ履行遅滞ノ責ニ任スルモノト解スルヲ相当トス原判決ノ確定シタル事実ニ依レハ本件ノ消費貸借ハ返還期限ノ定メナカリシモノナル処貸主タル被上告人ノ前主米津藤一ハ大正十二年六月頃上告人ニ対シ返還ノ催告ヲ為シタリト云フニ在レハ其ノ催告ニ於テ一定ノ日時若ハ期間ヲ明示セサルモ該催告ノ時ヨリ本件借用金返還ノ準備ニ相当ナル期間ヲ経過シタル時ニ於テ返還ノ期限到来シ爾後上告人ハ履行ノ遅滞ニ在リタルモノト認メサルヘカラス而シテ本件貸金ヲ米津藤一ヨリ被上告人ニ譲渡シ其ノ通知カ大正十四年三月三日上告人ニ到達シタルコトハ原判決ノ確定スル所ニシテ其ノ当時既ニ右ノ相当期間ヲ経過シタルコト勿論ナルカ故ニ原判決カ弁済期限未タ到来セサル旨ノ上告人ノ抗弁ヲ排斥シ上告人ニ履行遅滞ノ責アルモノトシ被上告人請求ニ係ル本件訴状送達ノ翌日以降上告人ニ遅滞損害金ノ支払義務アリト説明シタルハ結局相当ニシテ所論ノ如キ不法アルモノニ非ス論旨ハ理由ナシ」

と、判示しています。

後段は誤りです。

したがって、上記記述は、ウが正しく、エが誤りです。