刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 692

乙:今日の問題も、2問あります。

Aは,Bとの間で,Aが所有する2階建ての甲建物を月額50万円の賃料で賃貸する旨の契約を締結し,甲建物をBに引き渡した。その後,Bは,Aの承諾を得て,Cとの間で,甲建物を月額50万円の賃料で転貸する旨の契約を締結し,甲建物をCに引き渡した。それからしばらくして甲建物の屋根の不具合により雨漏りが発生し,Cは,甲建物の2階部分を使用することができなくなった。この場合に関する(中略)
ア.Cは,Bに対し,甲建物の屋根の不具合を修繕するよう請求することができる。
エ.AがCに対して甲建物の2階部分を使用することができなくなった日以後の賃料の支払を請求した場合,Cは,甲建物の2階部分の割合に相当する賃料についても,その支払を拒絶することができない。


甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:かねーがなーるーなーる。かーんかーんとー。。

乙:アについて

「賃借人がその賃借物を「転貸」すると、賃貸人と賃借人との間の賃貸借関係は依然として存続し、賃借人と転借人との間に賃借権を基礎とする新たな賃貸借関係を生じる。」

我妻榮・有泉亨・清水誠・田山輝明『我妻・有泉コンメンタール民法〔第5版〕』(日本評論社、2018年)1245頁

民法606条1項は

「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。」

と、規定しています。


エについて、民法613条1項前段は

「賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。」

と、規定しています。

「原賃貸人は,転借人に対する直接請求をすることによって,賃貸借契約に基づいて原賃借人に対して賃貸料を請求するのよりもよい地位に置かれたのでは,必要以上の保護を受けることになります。それゆえ,賃貸料が転貸料よりも少額であった場合には,直接請求できる額は,賃貸料の額が上限となります」

潮見佳男『基本講義債権各論1〔第3版〕』(新世社、2017年)186頁


したがって、上記記述は、アが正しく、エが誤りです。