刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 695

乙:少女漫画に出てくるような金髪イケメンの高校生が、自家用ヘリに乗せてくれるという夢を見ました(自分も高校生)。

今日の問題も、予備試験からで、4問あります。

ア.一般の先取特権者は,債務者の財産の中の動産が売却されて買主にその引渡しがされた場合,債務者が取得する代金債権について,その払渡しの前に差押えをしなくても先取特権を行使することができる。
イ.動産売買の先取特権者がその代金債権を第三者に譲渡した場合,その先取特権は代金債権とともに第三者に移転する。
ウ.動産売買先取特権と動産質権が競合する場合,動産質権は動産売買先取特権より先順位となる。
エ.不動産の保存行為が完了した後直ちに不動産の保存の先取特権の登記をした場合であっても,その先取特権は,その登記より前にその不動産について登記された抵当権に先立って行使することができない。


甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:ぼく、すきーやーだから。。

乙:アについて、民法304条1項は

「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。」

と、規定しています。


「一般の先取特権は債務者の総財産に対し効力を及ぼすものであり,個々の財産の滅失等につき物上代位を問題にする余地がない。目的物に代わるものが支払われて債務者の一般財産に混入したとき物上代位の効力が及ばなくなるために差押えを要するとする304条1項但書の趣旨からみてもそうである。したがって,特別の先取特権についてのみ物上代位が認められる。」

川井健『民法概論2(物権)〔第2版〕』(有斐閣、2005年)269-270頁


イについて

「随伴性がある。留置権の場合(232頁)と同様である。」

川井健『民法概論2(物権)〔第2版〕』(有斐閣、2005年) 253頁

「留置権の担保する債権が譲渡され,かつ占有も債権の譲渡に伴い移転すれば,留置権は移転する。特定承継の場合に,かつては随伴性を否定する見解もあったが,近時の学説は随伴性を肯定する。」

同232頁


ウについて、民法334条は

「先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第三百三十条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。」

同法330条1項3号は

「同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。
三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権」

同条2項前段は

「前項の場合において、第一順位の先取特権者は、その債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。」

と、規定しています。


エについて、民法337条は

「不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。」

同法339条は

「前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。」

と、規定しています。


したがって、上記記述は、アとイが正しく、ウとエが誤りです。