刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 700

乙:甲先生と、ウエコレに行きたかったです。

今日の問題は、2問あります。

イ.委任契約が受任者の利益のためにも締結された場合であっても,委任者は,やむを得ない事由があるときには,契約を解除することができる。
オ.動産の売買契約が締結され,売買代金の一部が支払われた後で,当該売買契約が売主の債務不履行を理由に解除された場合,売主は,買主の損害を賠償する義務を負うが,受領した売買代金の一部を返還するに当たっては,その受領の時からの利息を付す必要はない。



甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?


甲:ざんねん。。


乙:イについて、民法651条は

「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。」

と、規定しています。

最判昭和43年9月20日は

「 原審の確定する事実によれば、合名会社D商事をも含めた訴外E建設株式会社に対する債権者が、右E建設の事業を継続せしめてその再建をはかることにより自らの債権の満足をえようとして、D商事の代表者FらがE建設よりその経営一切の委任を受けたというのであり、右委任に基づいてFらは本件請負工事を続行したというのであるから、本件委任事務の処理は、委任者の利益であると同時に受任者の利益でもある場合にあたるものというべきである。そして、委任が当事者双方の対人的信用関係を基礎とする契約であることに徴すれば、右のような場合においても、受任者が著しく不誠実な行動に出た等やむをえない事由があるときは、委任者は民法六五一条に則り委任契約を解除することができるものと解するのを相当とする(昭和三九年(オ)第九八号・同四〇年一二月一七日第二小法廷判決・裁判集八一号五六一頁)。
而して、原審の確定する事実によれば、D商事は、E建設の乗用車一台を私物視して他の債権者に非難され、また、E建設所有の不動産を他の債権者およびE建設の承諾もなく所有名義をD商事に移転したため、他の債権者の足並みが乱れ、右事実に端を発し、他の債権者も我勝ちにE建設の動産類を持ち出し、遂にE建設は不渡を出すに至つた、というのであるから、このような受任者である会社の代表者Fらの行動は、著しく不誠実なものというべく委任者たるE建設としては、委任契約を解除するに足りるやむをえない事由あるものということができる。したがつて、E建設のした本件委任契約解除の意思表示を有効と認めた原審の判断は、結局、正当である。」

と、判示しています。


オについて、民法545条1,2項は

「当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。」

と、規定しています。


したがって、上記記述は、イが正しく、オが誤りです。