刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 736

乙:甲先生御作成にかかる甲府メロン味書を読みたいです。

今日の問題は

国が行政の主体としてでなく私人と対等の立場から私人との間で個々的に締結する私法上の契約は,国の統治行動の場合と同一の基準や観念によってこれを律することはできないのであり,私人間の利害関係の公平な調整を目的とする私法の適用を受けるだけである。

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?


甲:とうしかって。。


最判平成元年6月20日は

「上告人らが平和主義ないし平和的生存権として主張する平和とは、理念ないし目的としての抽象的概念であつて、それ自体が独立して、具体的訴訟において私法上の行為の効力の判断基準になるものとはいえず、また、憲法九条は、その憲法規範として有する性格上、私法上の行為の効力を直接規律することを目的とした規定ではなく、人権規定と同様、私法上の行為に対しては直接適用されるものではないと解するのが相当であり、国が一方当事者として関与した行為であつても、たとえば、行政活動上必要となる物品を調達する契約、公共施設に必要な土地の取得又は国有財産の売払いのためにする契約などのように、国が行政の主体としてでなく私人と対等の立場に立つて、私人との間で個々的に締結する私法上の契約は、当該契約がその成立の経緯及び内容において実質的にみて公権力の発動たる行為となんら変わりがないといえるような特段の事情のない限り、憲法九条の直接適用を受けず、私人間の利害関係の公平な調整を目的とする私法の適用を受けるにすぎない」

「憲法九八条一項は、憲法が国の最高法規であること、すなわち、憲法が成文法の国法形式として最も強い形式的効力を有し、憲法に違反するその余の法形式の全部又は一部はその違反する限度において法規範としての本来の効力を有しないことを定めた規定であるから、同条項にいう「国務に関するその他の行為」とは、同条項に列挙された法律、命令、詔勅と同一の性質を有する国の行為、言い換えれば、公権力を行使して法規範を定立する国の行為を意味し、したがつて、行政処分、裁判などの国の行為は、個別的・具体的ながらも公権力を行使して法規範を定立する国の行為であるから、かかる法規範を定立する限りにおいて国務に関する行為に該当するものというべきであるが、国の行為であつても、私人と対等の立場で行う国の行為は、右のような法規範の定立を伴わないから憲法九八条一項にいう「国務に関するその他の行為」に該当しないものと解すべきである。以上のように解すべきことは、最高裁昭和二二年(れ)第一八八号同二三年七月七日大法廷判決・刑集二巻八号八〇一頁の趣旨に徴して明らかである。そして、原審の適法に確定した事実関係のもとでは、本件売買契約は、国が行つた行為ではあるが、私人と対等の立場で行つた私法上の行為であり、右のような法規範の定立を伴わないことが明らかであるから、憲法九八条一項にいう「国務に関するその他の行為」には該当しない」


「憲法九条は、その憲法規範として有する性格上、私法上の行為の効力を直接規律することを目的とした規定ではなく、人権規定と同様、私法上の行為に対しては直接適用されるものではない」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。