刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 758

乙:タップイベのヒロシが、イケメンに見えてきました。

今日の問題は、予備試験からで、4問あります。


次の【事例】について述べた後記(中略)【記述】のうち,誤っているもの(中略)
【事 例】
M県N警察署の司法警察員Xは,Vから,甲に宝石をだまし取られた旨の詐欺事件の被害届を受理し,甲に対する内偵捜査を行っていたところ,平成25年3月3日午後2時頃,甲がN市内のコンビニエンスストアで万引きをしたとの通報を受けたことから,同店に急行し,同日午後2時10分,同店にいた甲を窃盗罪の現行犯人として逮捕した。甲は,逮捕後の取調べの際,Xに対し,「コンビニエンスストアで万引きはしていない。」旨供述するとともに,逮捕時に所持していた宝石について,「Vから買ったものであり,だまし取ったものではない。」旨申し立てた。Xは,前記詐欺事件及び前記窃盗事件について,それぞれ関係者の取調べを行うなどした上で,同月5日午後2時に窃盗罪で甲をM地方検察庁に送致する手続をとり,同日午後2時35分,M地方検察庁検察官Yが甲を受け取った。
【記 述】
ア.Yは,甲に弁解の機会を与え,留置の必要があると判断すれば,平成25年3月6日午後2時35分までに裁判官に勾留を請求すれば足りる。
イ.Yが,詐欺罪について甲を逮捕しないまま,窃盗罪の事実に詐欺罪の事実を併せて勾留請求した場合,勾留請求を受けた裁判官は,窃盗及び詐欺のいずれについても勾留の理由及び必要が認められるものと判断すれば,両罪について適法に勾留状を発することができる。
ウ.甲は,勾留請求を受けたM地方裁判所の裁判官が勾留状を発した場合,これに不服があるときは,同裁判所に対し,その裁判を取り消して勾留請求を却下するよう請求することができる。
エ.Yは,勾留請求を受けたM地方裁判所の裁判官が,犯罪の嫌疑が認められないものとして勾請求を却下した場合,これに不服があるときでも,同裁判所に対し,その裁判を取り消して甲を勾留するよう請求することは許されない。


甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:みゃー。ね。。


乙:アについて、刑事訴訟法205条は

「検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
○2 前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。
○3 前二項の時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。
○4 第一項及び第二項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。」

と、規定しています。


イについて、刑事訴訟法207条は

「前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。
○2 前項の裁判官は、勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げる際に、被疑者に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。ただし、被疑者に弁護人があるときは、この限りでない。
○3 前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、勾留された被疑者は弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。
○4 第二項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を告げるに当たつては、弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会(第三十七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。
○5 裁判官は、第一項の勾留の請求を受けたときは、速やかに勾留状を発しなければならない。ただし、勾留の理由がないと認めるとき、及び前条第二項の規定により勾留状を発することができないときは、勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。」

と、規定しています。


ウについて、刑事訴訟法429条1項2号は

「裁判官が左の裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。
二 勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判」

と、規定しています。


エについて、刑事訴訟法207条4項は

「第二項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を告げるに当たつては、弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会(第三十七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。」

と、規定しています。


したがって、上記記述は、アとエが誤りで、イとウが正しいです。