刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 810

乙:甲先生と、火振りかまくらを見に行きたいけど、寒そうです。

今日の問題は、3問あります。


1.株式の分割により自己株式の数は増えるが,株式無償割当てにより自己株式の数は増えない。
2.株式の分割により1株に満たない端数が生じ得るが,株式無償割当てにより1株に満たない端数が生ずることはない。
4.株式の分割の場合には,現に2以上の種類の株式を発行していない限り,株主総会の決議によらないで発行可能株式総数を増加する定款変更をすることができるが,株式無償割当ての場合には,株主総会の決議によらなければ発行可能株式総数を増加する定款変更をすることはできない。


甲先生、よろしくお願いします!


甲:1について、会社法186条1, 2項は

「株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日
三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類
2 前項第一号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第三号の種類の株式)の数に応じて同項第一号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。」

と、規定しています。

「株式の分割においては,自己株式もその対象となり,分割割合に応じて自己株式の数が増加する。一方,株式の無償割当てにおいては,会社が保有する自己株式は,割当先の株式の対象から除かれている(会社法186条2項)。そのため,株式無償割当てにより自己株式の数は増えない。」

辰已法律研究所『平成28年版 肢別本5 民事系商法』111頁


2について、会社法235条は

「株式会社が株式の分割又は株式の併合をすることにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数が生ずる場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を株主に交付しなければならない。
2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。」

同法234条1項3号は

「次の各号に掲げる行為に際して当該各号に定める者に当該株式会社の株式を交付する場合において、その者に対し交付しなければならない当該株式会社の株式の数に一株に満たない端数があるときは、その端数の合計数(その合計数に一に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)に相当する数の株式を競売し、かつ、その端数に応じてその競売により得られた代金を当該者に交付しなければならない。
三 第百八十五条に規定する株式無償割当て 当該株式会社の株主」

と、規定しています。


4の前段について、会社法184条2項は

「株式会社(現に二以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第四百六十六条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第二項第二号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第一号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。」

と、規定しています。

前段は正しいです。

4の後段について

「株式無償割当ての場合,特定の種類株式の株主に対して別の種類株式が割り当てられる可能性があるため,株主総会決議によらない定款変更は認められていない。」

辰已法律研究所『平成28年版 肢別本5 民事系商法』109頁

後段も正しいです。


したがって、上記記述は、1と4が正しく、2が誤りです。