刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 991

乙:A tired song keeps playing on a tired radio

出典:https://genius.com/Goo-goo-dolls-name-lyrics

感想:冷静な感じ。

今日の問題は、司法試験平成29年刑法第10問3.です。

信用毀損罪における「信用」は,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼に限定されず,経済的側面とは関係のない社会的な信頼を害した場合も,同罪が成立する。

甲先生、よろしくお願いします!

甲:刑法233条前段は

「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

と、規定しています。

最判平成15年3月11日は

「 1 原判決の是認する第1審判決の認定によると,被告人は,コンビニエンスストアで買った紙パック入りオレンジジュースに次亜塩素酸イオン等を成分とする家庭用洗剤を注入した上,警察官に対して,上記コンビニエンスストアで買った紙パック入りオレンジジュースに異物が混入していた旨虚偽の申告をし,警察職員からその旨の発表を受けた報道機関をして,上記コンビニエンスストアで異物の混入されたオレンジジュースが陳列,販売されていたことを報道させたというのである。
そうすると,被告人は,粗悪な商品を販売しているという虚偽の風説を流布して,上記コンビニエンスストアが販売する商品の品質に対する社会的な信頼を毀損したというべきところ,原判決は,刑法233条にいう「信用」には,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼のほか,販売する商品の品質等に対する社会的な信頼が含まれるとして,被告人の上記行為につき同条が定める信用毀損罪の成立を認めた。
2 所論引用の大審院の判例のうち,大審院大正5年(れ)第2605号同年12月18日判決・刑録22輯1909頁及び大審院昭和8年(れ)第75号同年4月12日判決・刑集12巻5号413頁は,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼を毀損しない限り,信用毀損罪は成立しないとしたものであるから,原判決は,上記大審院の各判例と相反する判断をしたものといわなければならない。
しかし,【要旨】刑法233条が定める信用毀損罪は,経済的な側面における人の社会的な評価を保護するものであり,同条にいう「信用」は,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼に限定されるべきものではなく,販売される商品の品質に対する社会的な信頼も含むと解するのが相当であるから,これと異なる上記大審院の各判例は,いずれもこれを変更し,原判決を維持すべきである。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。