刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1088

乙:Masquerading as a man with a reason
My charade is the event of the season

出典:https://genius.com/Kansas-carry-on-wayward-son-lyrics

感想:歌詞が古めかしいかもしれない。昔の曲だから?

 

今日の問題は、予備試験平成29年商法第25問ア.です。

 

株主代表訴訟の対象となる取締役の責任に関する次のアからオまでの各記述のうち,会社法が取締役の地位に基づいて取締役に負わせている責任のほか,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれるという判例の立場と整合するもの(中略)
ア.取締役に対して会社の取得した動産の所有権に基づき当該会社への当該動産の引渡しを求める訴えは,株主代表訴訟として適法である。


甲先生、よろしくお願いします!


甲:最判平成21年3月10日は

 

「(1) 昭和25年法律第167号により導入された商法267条所定の株主代表訴訟の制度は,取締役が会社に対して責任を負う場合,役員相互間の特殊な関係から会社による取締役の責任追及が行われないおそれがあるので,会社や株主の利益を保護するため,会社が取締役の責任追及の訴えを提起しないときは,株主が同えを提起することができることとしたものと解される。そして,会社が取締役の責任追及をけ怠するおそれがあるのは,取締役の地位に基づく責任が追及される場合に限られないこと,同法266条1項3号は,取締役が会社を代表して他の取締役に金銭を貸し付け,その弁済がされないときは,会社を代表した取締役が会社に対し連帯して責任を負う旨定めているところ,株主代表訴訟の対象が取締役の地位に基づく責任に限られるとすると,会社を代表した取締役の責任は株主代表訴訟の対象となるが,同取締役の責任よりも重いというべき貸付けを受けた取締役の取引上の債務についての責任は株主代表訴訟の対象とならないことになり,均衡を欠くこと,取締役は,このような会社との取引によって負担することになった債務(以下「取締役の会社に対する取引債務」という。)についても,会社に対して忠実に履行すべき義務を負うと解されることなどにかんがみると,同法267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役の地位に基づく責任のほか,取締役の会社に対する取引債務についての責任も含まれると解するのが相当である。
(2) これを本件についてみると,上告人の主位的請求は,Aの取得した本件各土地の所有権に基づき,Aへの真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めるものであって,取締役の地位に基づく責任を追及するものでも,取締役の会社に対する取引債務についての責任を追及するものでもないから,上記請求に係る訴えを却下した原審の判断は,結論において是認することができる。
これに対し,上告人の予備的請求は,本件各土地につき,Aとその取締役である被上告人との間で締結された被上告人所有名義の借用契約の終了に基づき,Aへの真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めるものであるから,取締役の会社に対する取引債務についての責任を追及するものということができる。そうすると,予備的請求に係る訴えは,株主代表訴訟として適法なものというべきである。」

 

 と、判示しています。

 

したがって、上記記述は、誤りです。