乙:今日の問題は、伊藤塾2024年予備試験全国公開短答模試憲法第6問イです。
国民の義務に関する(中略)
イ.憲法第27条第1項は、勤労の権利に加えて、国民の勤労の義務を定めている。この勤労の義務について、勤労の能力があり、その機会があるにもかかわらずに勤労しようとしない者に対しては、生存権や労働権の保障が及ばないという限りで法的意味を認める見解があるが、この見解によれば、法律で国民に勤労を強制することも否定されないことになる。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:I want a bit of your bird's eye view
Up in your hot air balloon
出典:https://youtu.be/qXFOF-ITPr4?feature=shared
感想:アルクによると、bird's-eye viewは、〔鳥のように高い所から見下ろした〕全景、などの意味です。
乙:憲法27条1項後段は
「すべて国民は、勤労の義務を負ふ。」
生活保護法4条1項は
「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」
と、規定しています。
「この勤労の義務については、私有財産制と職業選択の自由の保護から、不労所得を禁止することができないので、国民は一般的に勤労すべきものであるという思想を表現した道徳的な意味だけを有するとする見解と、勤労の能力があり、その機会があるにもかかわらずに勤労しようとしない者に対しては、生存権や労働権の保障が及ばないという限りで法的意味を認める見解がある。今日では後者の見解が有力である。実際、生活扶助その他の社会国家的給付を定める法律においては、勤労の義務を尽くしたことが給付の条件となっている(生活保護法4条1項など参照)。もっとも、いずれの見解に立っても、この勤労の義務については、法律で国民に勤労を強制できるという意味ではないことに争いはない。」
伊藤塾『2024年 予備試験全国公開短答模試 解説 憲法・行政法』20頁
したがって、上記記述は、誤りです。