刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 1900

乙:Where is my mind?

出典:https://genius.com/Aa-williams-where-is-my-mind-lyrics

感想:mindは気と訳されることも多いので、心臓の辺りをイメージしますが、この歌詞では、通常、headの中にあることになっています。


今日の問題は、新司法試験平成19年民事系第48問アとイです。

株主総会における瑕疵ある決議についての訴訟に関する(中略)
ア. 株主総会決議無効確認の訴えは,決議の内容が法令又は定款に違反する場合に,提起するこ
とができる。
イ. 株主総会決議取消しの訴えが適法に提起された後に原告である株主につき相続があった場合
には,その相続人が原告の地位を承継する。

甲先生、よろしくお願いします!


甲:アについて、会社法830条2項は

「株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。」

同法831条1項2号は

「次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。」

と、規定しています。


イについて、最大判昭和45年7月15日は

「社員が右のような訴を提起したのちその持分を譲渡した場合には、譲受人は会社解散請求権、社員総会決議取消請求権および同無効確認請求権のごときは取得するけれども、譲渡人の訴訟上における原告たる地位までも承継するものとはいえない。これに反して、相続の場合においては、相続人は被相続人の法律上の地位を包括的に承継するのであるから、持分の取得により社員たる地位にともなう前記のごとき諸権利はもとより、被相続人の提起した訴訟の原告たる地位をも承継し、その訴訟手続を受け継ぐことになるのである。もし、原告たる被相続人の死亡により同人の提起した訴訟が当然に終了するものとするならば、本件の社員総会決議取消の訴におけるように提訴期間の定め(有限会社法四一条、商法二四八条一項)がある場合において、被相続人の死亡当時すでにその提訴期間を経過しているときは、相続人は新たに訴を提起することができず、原告たる被相続人の死亡なる偶然の事情により、社員がすでに着手していた社員総会決議のかしの是正の途が閉ざされるという不合理な結果となるのを免れないのである。
 してみれば、本件訴訟については、原告たる古荘伊助の死亡により、同人の有した被上告会社の持分の全部を相続により取得した上告人において原告たる地位をも当然に承継したものというべきであり、右伊助の死亡により本件訴訟が終了したものとすることはできない。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、アが誤りで、イが正しいです。