刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2072

乙:Touch me, take me
Kiss me love me, impress me

出典:https://youtu.be/FFuZ2avoYmw

感想:感動するを英語に訳すときに、be impressedも一つの候補らしいです。うろ覚えです。


今日の問題は、予備試験平成25年商法第30問アとエです。

AがBに対して約束手形を振り出し,Cが手形保証をした場合に関する(中略)
ア.Aが未成年者であり,その法定代理人がAの手形行為を取り消した場合でも,これによって,
Cの手形保証債務は,無効とはならない。
エ.判例によれば,A・B間の手形振出しの原因関係においてAの債務の不発生が確定した場合でも,Cは,Bに対し,手形保証債務の履行を拒むことはできない。

甲先生、よろしくお願いします!


甲:アについて、手形法77条3項は

「保証ニ関スル規定(第三十条乃至第三十二条)モ亦之ヲ約束手形ニ準用ス第三十一条末項ノ場合ニ於テ何人ノ為ニ保証ヲ為シタルカヲ表示セザルトキハ約束手形ノ振出人ノ為ニ之ヲ為シタルモノト看做ス」

同法32条2項は

「保証ハ其ノ担保シタル債務ガ方式ノ瑕疵ヲ除キ他ノ如何ナル事由ニ因リテ無効ナルトキト雖モ之ヲ有効トス」

民法120条1項は

「行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。」

同法5条2項は

「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。」

と、規定しています。

「手形法77条3項が準用する手形法32条2項は,(中略)としている。これは,手形保証の独立性を定めた趣旨であり,被保証人の債務負担行為に瑕疵があって効力を生じない場合にも,それを前提とする行為である手形保証行為はその瑕疵の影響を受けずに有効に成立すると理解されている。そして,手形保証独立の原則は,被保証人が無能力者であって法定代理人の同意を得ないで手形行為をしてそれが取り消された場合や,無権代理人によって手形行為がされた場合に適用される。本記述において,未成年者Aは無能力者であり(民法5条1項),その法定代理人はAの手形行為を取り消すことができるが(民法120条1項,5条2項),これによりCの手形保証債務は影響を受けない。」

辰巳法律研究所「平成28年版 肢別本5 民事系商法」599頁



エについて、最判昭和45年3月31日は

「将来発生することあるべき債務の担保のために振り出され、振出人のために手形保証のなされた約束手形の受取人は、手形振出の右原因関係上の債務の不発生が確定したときは、特別の事情のないかぎり、爾後手形振出人に対してのみならず手形保証人に対しても手形上の権利を行使すべき実質的理由を失つたものである。しかるに、手形を返還せず手形が自己の手裡に存するのを奇貨として手形保証人から手形金の支払を求めようとするが如きは、信義誠実の原則に反して明らかに不当であり、権利の濫用に該当し、手形保証人は受取人に対し手形金の支払を拒むことができるものと解するのが相当である(昭和三八年(オ)第三三〇号同四三年一二月二五日大法廷判決、民集二二巻一三号三五四八頁参照。)。そして、右受取人から裏書譲渡を受けた手形所持人につき手形法一七条但書の要件が存するときは、手形保証人は、右悪意の所持人に対し右権利濫用の抗弁をもつて対抗することができる。
 右の法理に照らし、本件手形の保証人たる被上告人両名は、前示事実関係その他原審確定の事実関係のもとにおいては、上告人の本件手形金の支払請求を拒むことができるものと解すべきである。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、アが正しく、エが誤りです。