刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1350

乙:Balance life with your eyes closed


出典:Everything Is Recorded – 10:51 PM / THE NIGHT Lyrics | Genius Lyrics


感想:このwithの使い方は学校で習った気がします。



今日の問題は、予備試験平成26年商法第20問5です。


会社の代表者としての資格を有しない者につき代表取締役の就任の登記がされた場合において,その者を被告である当該会社の代表者として提起された訴えは,不適法である。



甲先生、よろしくお願いします!


甲:最判昭和45年12月15日は


記録によれば、本訴は、上告人より被上告会社を被告として提起された売買代金請求の訴であるが、これに対し、原審は、次のように判断したうえ、本件訴は不適法であるとし、上告人の請求を認容した第一審判決を取り消し、上告人の本件訴を却下する旨判決した。すなわち、被上告会社の登記簿には、訴外吉永雅洋が同会社の代表取締役として記載されているが、同人は、同会社の代表取締役ではなく、同会社の代表者としての資格を有するものではない。なんとなれば、被上告会社の臨時社員総会議事録その他の書類には、被上告会社は、昭和四二年八月二四日臨時社員総会を開催し、従来の取締役は辞任し、選挙の結果あらたに吉永外一名が取締役に選任され、即日同人らより就任の承諾をえた旨その他の記載があり、その議事録の末尾に出席取締役として吉永雅洋の記名押印がなされており、また、同日取締役の互選の結果、同人が被上告会社の代表取締役に選任され、同人の承諾をえた旨の記載があるが、吉永は、当時他所で自動車運転手として勤務し、右の臨時社員総会に出席したこともなければ、被上告会社の取締役および代表取締役に就任することを承諾したこともない。ただ、事後にその承諾を求められたことはあるが、同人はこれを拒絶したものであることが認められる。そうだとすると、吉永は、被上告会社の代表取締役ではなく、同会社の代表者としての資格を有するものではないから、吉永を被上告会社の代表者として提起された本件訴は、不適法として却下を免れない、とするものである。

 ところで、所論は、まず、民法一〇九条、商法二六二条の規定により被上告会社について吉永にその代表権限を肯認すべきであるとする。しかし、民法一〇九条および商法二六二条の規定は、いずれも取引の相手方を保護し、取引の安全を図るために設けられた規定であるから、取引行為と異なる訴訟手続において会社を代表する権限を有する者を定めるにあたつては適用されないものと解するを相当とする。この理は、同様に取引の相手方保護を図った規定である商法四二条一項が、その本文において表見支配人のした取引行為について一定の効果を認めながらも、その但書において表見支配人のした訴訟上の行為について右本文の規定の適用を除外していることから考えても明らかである。したがつて、本訴において、吉永には被上告会社の代表者としての資格はなく、同人を被告たる被上告会社の代表者として提起された本件訴は不適法である旨の原審の判断は正当である。


と、判示しています。



したがって、上記記述は、正しいです。