刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 1439

乙:Would you come again, in the night

出典:https://www.musixmatch.com/lyrics/Buddaheads/911

感想:will youの丁寧な言い方でしょうか。

今日の問題は、新司法試験平成22年民事系第53問2です。

判例によれば,運送人は,運送品の全部が運送人の過失により滅失した場合には,荷送人又は荷受人に損害が全く生じなかったとしても,引渡しがあるべき日における到達地の価格によって定まる額の賠償責任を負う。


甲先生、よろしくお願いします!


甲:商法580条1項は

「荷送人は、運送人に対し、運送の中止、荷受人の変更その他の処分を請求することができる。この場合において、運送人は、既にした運送の割合に応じた運送賃、付随の費用、立替金及びその処分によって生じた費用の弁済を請求することができる。」

と、規定しています。


最判昭和53年4月20日は

「おもうに、右五八〇条一項が運送品の価格による損害賠償責任を定めている趣旨は、運送品の全部滅失により荷送人又は荷受人に損害が生じた場合、これによる運送人の損害賠償責任を一定限度にとどめて大量の物品の運送にあたる運送人を保護し、あわせて賠償すべき損害の範囲を画一化してこれに関する紛争を防止するところにあるものと解される。したがつて、実際に生じた損害が右条項所定の運送品の価格を下回る場合にも、原則として運送人は右価格相当の損害賠償責任を負うのであつて、運送人に悪意又は重過失がありその損害賠償責任について同法五八一条が適用される場合にも、その責任が右価格より軽減されることがないのは、もちろんである。しかしながら、前記のような立法趣旨からして、右五八〇条一項は、運送品が全部滅失したにもかかわらず荷送人又は荷受人に全く損害が生じない場合についてまで運送人に損害賠償責任を負わせるものではなく、このような場合には、運送人はなんら損害賠償責任を負わないものと解するのが相当である。
 ところで、本件において、仮に上告人日通の前記主張のとおり本件物件が被上告人白石の所有ではなく、たまたま右物件の配送を受けた中外商事の所有であるとすれば、右被上告人に損害が発生したか否かを判断するためには、更に具体的事実関係を審究することを要するものというべきである。この点について審理することなく漫然上告人日通に商法五八〇条一項の定めるところによる損害賠償義務があるものと認めた原判決は、法の解釈適用を誤つたものというべく、右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、誤りです。