刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2057

乙:Stepping out of the frame

出典:https://genius.com/Alice-phoebe-lou-dirty-mouth-lyrics

感想:frameとflameの区別がはっきりしていないです。


今日の問題は、新司法試験平成22年民事系第53問2と5です。

運送営業に関する(中略)
2.判例によれば,運送人は,運送品の全部が運送人の過失により滅失した場合には,荷送人又は荷受人に損害が全く生じなかったとしても,引渡しがあるべき日における到達地の価格によ
って定まる額の賠償責任を負う。
5.旅客運送人は,旅客から無償で預かった手荷物が旅客運送人の従業員の過失によって毀損し
たとしても,当該従業員に対する監督を怠っていなければ,損害賠償の責任を負わない。

甲先生、よろしくお願いします!


甲:2について、商法580条は

「荷送人は、運送人に対し、運送の中止、荷受人の変更その他の処分を請求することができる。この場合において、運送人は、既にした運送の割合に応じた運送賃、付随の費用、立替金及びその処分によって生じた費用の弁済を請求することができる。」

と、規定しています。

最判昭和53年4月20日は

「右五八〇条一項が運送品の価格による損害賠償責任を定めている趣旨は、運送品の全部滅失により荷送人又は荷受人に損害が生じた場合、これによる運送人の損害賠償責任を一定限度にとどめて大量の物品の運送にあたる運送人を保護し、あわせて賠償すべき損害の範囲を画一化してこれに関する紛争を防止するところにあるものと解される。」

「前記のような立法趣旨からして、右五八〇条一項は、運送品が全部滅失したにもかかわらず荷送人又は荷受人に全く損害が生じない場合についてまで運送人に損害賠償責任を負わせるものではなく、このような場合には、運送人はなんら損害賠償責任を負わないものと解するのが相当である。」

と、判示しています。


5について、商法591条1項は

「旅客の生命又は身体の侵害による運送人の損害賠償の責任(運送の遅延を主たる原因とするものを除く。)を免除し、又は軽減する特約は、無効とする。」

と、規定しています。

「判例(大判昭和5年9月13日)は,運送人は,運送のため使用した者に過失がなかったことを立証しない限り,その選任監督につき注意を怠らなかったことを証明しても商法577条による損害賠償責任を免れないとしている。」

辰巳法律研究所「平成28年版 肢別本5 民事系商法」535頁


したがって、上記記述は、2も5も誤りです。