刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1812

乙:今日の問題は、新司法試験平成19年公法系第17問AとBです。

次の文章は,選挙権行使の保障に関する最高裁判所の二つの判決に関するものである。AからDまでの各空欄に,後記1から6までの中から適切なものを補充して,文章を完成させなさい。なお,同じ記号には,同じ文章が入るものとする。
選挙権行使の保障に関し問題となるものとして,在宅投票制度や在外選挙制度がある。
最高裁判所は,在宅投票制度を廃止し,その後復活しないことの違憲性が争われた訴訟におい
て,立法不作為を含む立法内容の違憲性と国家賠償法第1条第1項との関係について【A】旨述べた上,同項の適用上どのような場合に国会議員の立法活動が違法の評価を受けるかについて【B】 旨判示した。
最高裁判所は,その後,在外選挙制度の違憲性が争われた訴訟において,まず,在外選挙制度の憲法適合性について【C】 旨判断し,さらに,国会議員の立法活動が国家賠償法第1条第1項の適用上違法の評価を受けるかについて,【A】旨述べた上で【D】旨判示した。
1. 国会議員は国民に対して違憲の立法をしない法的義務を負っており,立法内容が違憲の場合,国会議員の立法又は立法不作為は原則として国家賠償法第1条第1項の適用上違法となる
2. 国家賠償法第1条第1項の適用上違法となるかどうかは,国会議員の立法過程における行動
が個別の国民に対して負う職務上の法的義務に違背したかどうかの問題であり,当該立法内容
の違憲性の問題とは区別される
3. 立法内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらずあえて当該立法を行うような,容易に想定し難い例外的な場合でない限り,国家賠償法第1条第1項の適用上違法の評価を受けない
4. 立法内容が国民に憲法上保障された権利を違法に侵害することが明白な場合や,国民に憲法
上保障された権利行使の機会を確保するには所要の立法措置が必要不可欠で,それが明白なの
に,国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには,例外的に,国家賠償法第1条第1項の規定の適用上,違法の評価を受ける
5. 在外国民に国政選挙での投票を認めないことは憲法に違反しており,平成10年の公職選挙
法改正で在外選挙制度が創設されたが,その対象が衆議院と参議院の比例代表選挙に限られて
いた点で,従前の違憲状態が継続していた
6. 平成10年の公職選挙法改正で在外選挙制度が創設されたが,その対象が衆議院と参議院の
比例代表選挙に限られている点で,遅くとも本判決言渡し後に初めて行われる衆議院議員の総
選挙又は参議院議員の通常選挙の時点において,憲法に違反する

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:You’ve had enough
Well, so had we

出典:https://youtu.be/8tght3610wc

感想:soで始まる形の文の作り方に慣れていないので、会話で言えなかった。


乙:Aについて、最判昭和60年11月21日は

「国会議員の立法行為(立法不作為を含む。以下同じ。)が同項の適用上違法となるかどうかは、国会議員の立法過程における行動が個別の国民に対して負う職務上の法的義務に違背したかどうかの問題であつて、当該立法の内容の違憲性の問題とは区別されるべきであり、仮に当該立法の内容が憲法の規定に違反する廉があるとしても、その故に国会議員の立法行為が直ちに違法の評価を受けるものではない。」

Bについて、最判昭和60年11月21日は

「国会議員は、立法に関しては、原則として、国民全体に対する関係で政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではないというべきであつて、国会議員の立法行為は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというごとき、容易に想定し難いような例外的な場合でない限り、国家賠償法一条一項の規定の適用上、違法の評価を受けないものといわなければならない。」

と、判示しています。


したがって、Aには2、Bには3が入ります。