刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 2609

乙:今日の問題は、令和3年予備試験憲法第1問ウです。

 

私人間における人権保障に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして(中略)
ウ.労働組合の活動に対する組合員の協力義務の範囲は,問題とされている具体的な組合活動の内容・性質,組合員に求められる協力の内容・程度・態様等を比較考量し,多数決原理に基づく組合活動の実効性と組合員個人の基本的利益の調和という観点から,合理的な限定を加えられるべきである。それゆえ,組合員は,組合が支援する公職選挙候補者が所属する政党への寄付のために徴収する臨時組合費について納入義務を負わない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:There’s something raw
Like I’ve exposed a wire
Like there’s an open wound

 

出典:https://youtu.be/9N4_u3s8Jss?feature=shared

 

感想:アルクによると、exposed wireは、むき出しの導線、という意味です。

 

乙:最判昭和50年11月28日は

 

「労働組合の活動として許されたものであ
るというだけで、そのことから直ちにこれに対する組合員の協力義務を無条件で肯定することは、相当でないというべきである。それゆえ、この点に関して格別の立法上の規制が加えられていない場合でも、問題とされている具体的な組合活動の内容・性質、これについて組合員に求められる協力の内容・程度・態様等を比較考量し、多数決原理に基づく組合活動の実効性と組合員個人の基本的利益の調和という観点から、組合の統制力とその反面としての組合員の協力義務の範囲に合理的な限定を加えることが必要である。」

 

「 五 政治意識昂揚資金について
右資金は、総選挙に際し特定の立候補者支援のためにその所属政党に寄付する資金であるが、政党や選挙による議員の活動は、各種の政治的課題の解決のために労働者の生活利益とは関係のない広範な領域にも及ぶものであるから、選挙においてどの政党又はどの候補者を支持するかは、投票の自由と表裏をなすものとして、組合員各人が市民としての個人的な政治的思想、見解、判断ないしは感情等に基づいて自主的に決定すべき事柄である。したがつて、労働組合が組織として支持政党又はいわゆる統一候補を決定し、その選挙運動を推進すること自体は自由であるが(当裁判所昭和三八年(あ)第九七四号同四三年一二月四日大法廷判決・刑集二二巻一三号一四二五頁参照)、組合員に対してこれへの協力を強制することは許されないというべきであり、その費用の負担についても同様に解すべきことは、既に述べたところから明らかである。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。