刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2610

乙:今日の問題は、令和3年予備試験憲法第3問アです。

 

表現の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして(中略)
ア.裁判所による出版物の頒布等の事前差止めは,憲法第21条第2項にいう検閲に当たり原則として禁じられるが,出版等の表現の自由が個人の名誉の保護と衝突する場合には,厳格かつ明確な要件の下,例外的に事前差止めが許容されることがある。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:I never knew that you were two sided

 

出典:https://genius.com/Soda-blonde-boys-lyrics

 

感想:アルクによると、two-sidedは、〔人が〕二面性[裏表]がある、という意味です。

 

乙:最大判昭和61年6月11日は

 

「 憲法二一条二項前段にいう検閲とは、行政権が主体となつて、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査したうえ、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指すと解すべきことは、前掲大法廷判決の判示するところである。ところで、一定の記事を掲載した雑誌その他の出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めは、裁判の形式によるとはいえ、口頭弁論ないし債務者の審尋を必要的とせず、立証についても疎明で足りるとされているなど簡略な手続によるものであり、また、いわゆる満足的仮処分として争いのある権利関係を暫定的に規律するものであつて、非訟的な要素を有することを否定することはできないが、仮処分による事前差止めは、表現物の内容の網羅的一般的な審査に基づく事前規制が行政機関によりそれ自体を目的として行われる場合とは異なり、個別的な私人間の紛争について、司法裁判所により、当事者の申請に基づき差止請求権等の私法上の被保全権利の存否、保全の必要性の有無を審理判断して発せられるものであつて、右判示にいう「検閲」には当たらないものというべきである。したがつて、本件において、札幌地方裁判所が被上告人Bの申請に基づき上告人発行の「ある権力主義者の誘惑」と題する記事(以下「本件記事」という。)を掲載した月刊雑誌「A」昭和五四年四月号の事前差止めを命ずる仮処分命令(以下「本件仮処分」という。)を発したことは「検閲」に当たらない、とした原審の判断は正当であり、論旨は採用することができない。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。