刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2661

乙:今日の問題は、令和4年予備試験民事訴訟法第33問ウです。

 

既判力に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし(中略)
ウ.XがYに対して総額1000万円のうち200万円の支払を求めることを明示した上で提起した貸金の返還を求める訴え(前訴)について弁済を理由として請求を棄却する判決が確定した後、XがYに対して前記貸金の残額800万円の支払を求める訴え(後訴)を提起した場合に、後訴裁判所が、Xの請求を認容することは、前訴の確定判決の既判力に抵触しない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:Can I be please up and comer

 

出典:https://youtu.be/RAVgqbsw5NE?feature=shared

 

感想:アルクによると、up-and-comerは、注目の新人、などの意味です。

 

甲:最判平成10年6月12日は

 

「 1 一個の金銭債権の数量的一部請求は、当該債権が存在しその額は一定額を下回らないことを主張して右額の限度でこれを請求するものであり、債権の特定の一部を請求するものではないから、このような請求の当否を判断するためには、おのずから債権の全部について審理判断することが必要になる。すなわち、裁判所は、当該債権の全部について当事者の主張する発生、消滅の原因事実の存否を判断し、債権の一部の消滅が認められるときは債権の総額からこれを控除して口頭弁論終結時における債権の現存額を確定し(最高裁平成二年(オ)第一一四六号同六年一一月二二日第三小法廷判決・民集四八巻七号一三五五頁参照)、現存額が一部請求の額以上であるときは右請求を認容し、現存額が請求額に満たないときは現存額の限度でこれを認容し、債権が全く現存しないときは右請求を棄却するのであって、当事者双方の主張立証の範囲、程度も、通常は債権の全部が請求されている場合と変わるところはない。数量的一部請求を全部又は一部棄却する旨の判決は、このように債権の全部について行われた審理の結果に基づいて、当該債権が全く現存しないか又は一部として請求された額に満たない額しか現存しないとの判断を示すものであって、言い換えれば、後に残部として請求し得る部分が存在しないとの判断を示すものにほかならない。したがって、右判決が確定した後に原告が残部請求の訴えを提起することは、実質的には前訴で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものであり、前訴の確定判決によって当該債権の全部について紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し、被告に二重の応訴の負担を強いるものというべきである。
以上の点に照らすと、金銭債権の数量的一部請求訴訟で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することは、特段の事情がない限り、信義則に反して許されないと解するのが相当である。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。