「韃靼の馬」の前に日本経済新聞に連載されていたのでしょうか。
上海でエステサロン会社を経営しておられる独身女社長、紅子さんの物語です。
官能小説といえそうですが、それにしては官能シーンの印象が薄いです。紅子さんは、社長だけあって男勝りなので、紅子さん目線の官能シーンの描写も写実的で、爽やかささえ感じます。さながら、若い男性(やオジサマ)と楽しむスポーツのようでした。(彼私一体の境地を描いて欲しかった。(背伸びしすぎました))
最後は、本命の若い男性を若い女性に取られてしまうのですが、余り未練が伝わってきませんでした。
私の人生経験が浅いからかもしれません。
紅子さんは、社長という地位はあるし、お金と暇はあるし、他に男もいるので、余裕を感じてしまいます。
金も実績もない若い男性では、紅子さんのお相手は荷が重いのではないでしょうか。
紅子さんに見合った素敵な男性が現れることを願ってしまいます。
それか、紅子さんが私財と仕事をなげうって若い男に走るといった未練と情念を期待してしまいます。(他人事だから書けますが)
一昔前の演歌みたいなので、現代の自立した女性像とは相容れないですね。
上海の流行りの店(PAULのパン屋等)が出てくるファッション小説に終始したようで、残念に思いました。
読んだ日:2009年頃