刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1101

乙:No, I can't help but to hear an exchanging of words

 

出典:

Panic! at the Disco – I Write Sins Not Tragedies Lyrics | Genius Lyrics

 

感想:サビのメロディーがFall Out Boyに似ていると思ってしまった(にわか)。

 

今日の問題は、4問あり、司法試験平成29年民法第2問からです。

 

 

 ア.BがAの保佐人に対し当該売買契約を追認するかどうか確答することを1か月の期間を定めて催告した場合において,保佐監督人があるときは,保佐人が保佐監督人の同意を得てその期間内に追認の確答を発しなければ,当該売買契約を取り消したものとみなされる。
イ.BがAに対し当該売買契約について保佐人の追認を得ることを1か月の期間を定めて催告した場合において,Aがその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは,当該売買契約を取り消したものとみなされる。
ウ.Aが行為能力者となった後に,BがAに対し当該売買契約を追認するかどうか確答することを1か月の期間を定めて催告した場合において,Aがその期間内に確答を発しないときは,当該売買契約を追認したものとみなされる。
エ.Aが行為能力者となった後に,AがBから甲土地の所有権移転登記手続の請求を受けたときは,当該売買契約を追認したものとみなされる。

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

こ、甲先生!?

 

甲:ぽんてかさすて。。

 

乙:ア.について、民法20条2,3項は

 

「2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。
3 特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。」

 

同法864条は

 

「後見人が、被後見人に代わって営業若しくは第十三条第一項各号に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。ただし、同項第一号に掲げる元本の領収については、この限りでない。」

 

同法865条1項は

 

「後見人が、前条の規定に違反してし又は同意を与えた行為は、被後見人又は後見人が取り消すことができる。この場合においては、第二十条の規定を準用する。」

 

同法876条の3第1項は

 

「家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被保佐人、その親族若しくは保佐人の請求により又は職権で、保佐監督人を選任することができる。」

 

 と、規定しています。

 

イ.について、民法20条4項は

 

「制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第十七条第一項の審判を受けた被補助人に対しては、第一項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。」

 

と、規定しています。

 

 

ウ.について、民法20条1項は

 

「制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。」

 

と、規定しています。

 

 

エ.について、民法120条1項は

 

「行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。」

 

同法122条は

 

「取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。」

 

同法124条1項は

 

追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。

 

同法125条2号は

 

「前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
二 履行の請求」

 

と、規定しています。

 

大判明治39年5月17日は

 

「上告論旨ノ第九ハ原院ハ民法第百二十五条第二号ハ取消権ヲ有スル者カ其取消シ得ヘキ行為ニ因リテ権利ヲ取得シタル場合ニ其者ヨリ相手方ニ対シ為シタル履行ノ請求ヲ云フモノナレハ被控訴人ヨリ控訴人ニ対スル履行ノ催告カ同条追認ノ効ヲ生セサルヤ固ヨリ論ヲ俟タスト論セラレタリ然レトモ取消権ヲ有スル者カ其取消シ得ヘキ行為ニ因リテ生シタル債務ノ履行請求ヲ当該債権者ヨリ請求サレタル場合ニ於テ何等ノ異議ヲ留メサリシ場合ヲモ包含スルモノト解釈スルヲ正当トス何トナレハ其異議ヲ留メサリシハ所謂法律上権利ノ上ニ眠ルモノニシテ法律ノ保護スヘカラサル所ナレハナリトス従テ本件被上告人カ支払催告ヲ受ケナカラ何等ノ異議ヲ留メス第一審ノ判決後ニ於テ手形受取人杉山米吉ニ対シ振出行為取消ノ意思表示ヲ為シタルコトハ原院カ判定セシ確定事実タリ従テ被上告人ハ同条ノ明文ニヨリテ取消権ナキノミナラス追認シタルモノト論定セサルヘカラサルナリ故ニ原判決ハ違法ヲ免カレスト云フニ在リ
依テ按スルニ民法第百二十五条ニ於テ同条第一号乃至第六号ノ事実存在スルトキハ取消権者ハ取消シ得ヘキ行為ニ付追認ヲ為シタルモノト看做ス旨ノ規定ヲ設ケタル所以ノモノハ蓋シ是等ノ事実ト取消権トハ普通併立スヘキモノニアラスシテ該事実アリタルトキハ取消権者ハ取消シ得ヘキ行為ヲ追認シ之ヲ有効ナラシメタリト推測スルニアラサレハ他ニ正当ノ推測ヲ為シ得ヘキモノニアラサルニ因ル故ニ其第二号ノ所謂履行ノ請求トハ取消権者ノ相手方カ取消権者ニ対シ為シタル履行ノ請求ヲ指シタルモノニアラスシテ取消権者カ取消シ得ヘキ行為ニ基ツキ取得シタル債権ノ履行ヲ其相手方ニ対シ求メタル事実ヲ指シタルモノト解セサルヘカラス何トナレハ後段ノ場合ニ於ケル履行ノ請求ハ取消シ得ヘキ行為ヲ有効ニ成立シタルモノト為シタル後ニアラサレハ之ヲ為スヘキモノニアラサルヲ以テ該事実存スルトキハ取消権者ハ暗黙ニ取消シ得ヘキ行為ヲ追認シタルモノト認ムヘキハ当然ナルモ前段ニ於ケル履行ノ請求ハ取消権者ノ意思ニ出テタルモノニアラスシテ取消権ト併立シ得ヘキモノナレハ其事実アリタリトテ直ニ以テ取消権者カ取消シ得ヘキ行為ヲ追認スルノ意思ヲ有セシモノト認メサルヘカラサルモノニアラサレハナリ依テ本論旨モ亦理由ナシ」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、アとエが誤りで、イとウが正しいです。