刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 1140

乙:Everybody walk

 

出典:Fitz and The Tantrums – The Walker Lyrics | Genius Lyrics

 

感想:命令形?

 

今日の問題は、新司法試験平成21年公法系第5問イです。

 

市立小学校の校長が音楽専科の教諭に対し,入学式における国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏を行うよう命じた職務命令が,憲法第19条に違反しないとした最高裁判所の判決(最高裁判所平成19年2月27日第三小法廷判決,民集61巻1号291頁)に関する(中略
イ.この判決は,「君が代」のピアノ伴奏の強制により制約される当該教諭の思想・良心の自由と,「君が代」の伴奏が録音テープで行われることによって損なわれる入学式進行の秩序・規律とを,具体的に比較衡量した上で,「君が代」をテープ伴奏にすることによる違和感は看過し難いから,校長の職務命令が不合理とはいえないとした。

 

 甲先生、よろしくお願いします!

 

こ、甲先生!?

 

甲:pâté de foie gras..

 

 乙:憲法19条は

 

「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」

 

と、規定しています。

 

最判平成19年2月27日は

 

「 上告人は,「君が代」が過去の日本のアジア侵略と結び付いており,これ
を公然と歌ったり,伴奏することはできない,また,子どもに「君が代」がアジア
侵略で果たしてきた役割等の正確な歴史的事実を教えず,子どもの思想及び良心の
自由を実質的に保障する措置を執らないまま「君が代」を歌わせるという人権侵害
に加担することはできないなどの思想及び良心を有すると主張するところ,このよ
うな考えは,「君が代」が過去の我が国において果たした役割に係わる上告人自身
の歴史観ないし世界観及びこれに由来する社会生活上の信念等ということができる。しかしながら,学校の儀式的行事において「君が代」のピアノ伴奏をすべきで
ないとして本件入学式の国歌斉唱の際のピアノ伴奏を拒否することは,上告人にと
っては,上記の歴史観ないし世界観に基づく一つの選択ではあろうが,一般的に
は,これと不可分に結び付くものということはできず,上告人に対して本件入学式
の国歌斉唱の際にピアノ伴奏を求めることを内容とする本件職務命令が,直ちに上
告人の有する上記の歴史観ないし世界観それ自体を否定するものと認めることはで
きないというべきである。
(2) 他方において,本件職務命令当時,公立小学校における入学式や卒業式に
おいて,国歌斉唱として「君が代」が斉唱されることが広く行われていたことは周
知の事実であり,客観的に見て,入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏
をするという行為自体は,音楽専科の教諭等にとって通常想定され期待されるもの
であって,上記伴奏を行う教諭等が特定の思想を有するということを外部に表明す
る行為であると評価することは困難なものであり,特に,職務上の命令に従ってこ
のような行為が行われる場合には,上記のように評価することは一層困難であると
いわざるを得ない。
本件職務命令は,上記のように,公立小学校における儀式的行事において広く行
われ,A小学校でも従前から入学式等において行われていた国歌斉唱に際し,音楽
専科の教諭にそのピアノ伴奏を命ずるものであって,上告人に対して,特定の思想
を持つことを強制したり,あるいはこれを禁止したりするものではなく,特定の思
想の有無について告白することを強要するものでもなく,児童に対して一方的な思
想や理念を教え込むことを強制するものとみることもできない。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。