刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1277

乙:If I was a lighthouse

I would look all

Over the place


出典:Tokyo Police Club – Argentina (Parts I, II, III) Lyrics | Genius Lyrics



感想:仮定法過去?この後の歌詞が下品で、正直面白かった。



今日の問題は、新司法試験平成22年民事系第53問2です。


判例によれば,運送人は,運送品の全部が運送人の過失により滅失した場合には,荷送人又は荷受人に損害が全く生じなかったとしても,引渡しがあるべき日における到達地の価格によって定まる額の賠償責任を負う。



甲先生、よろしくお願いします!



甲:商法580条は


「荷送人は、運送人に対し、運送の中止、荷受人の変更その他の処分を請求することができる。この場合において、運送人は、既にした運送の割合に応じた運送賃、付随の費用、立替金及びその処分によって生じた費用の弁済を請求することができる。


と、規定しています。



最判昭和53年4月20日は


 職権で調査するに、本件記録によれば、上告人Bは、本件反訴において、本件物件はF商事の所有に属するものであり、被上告人Aはこれにつきなんらの権利をも有しないから、右物件が同会社に配送されたことによつて被上告人Aに損害は生ぜず、したがつて、右被上告人は、上告人Bから本件誤配送によつて生ずることがあるべき損害に充当すべき保証金として受け取つた金一六八万円を上告人Bに対し不当利得として返還すべき義務がある旨主張し、その支払を求めているものである。

しかるに、原審は、本件物件がF商事に配送されその返還を受けられなくなつたことは商法五八〇条一項にいう運送品の全部滅失と同視されるので、運送人たる上告人Bに同法五七七条所定の免責事由が存することにつき主張立証のない本件においては、右上告人は本件物件の引渡があるべかりし日における到達地の価格によつて損害賠償をなすべき義務を負う旨判示している。

おもうに、右五八〇条一項が運送品の価格による損害賠償責任を定めている趣旨は、運送品の全部滅失により荷送人又は荷受人に損害が生じた場合、これによる運送人の損害賠償責任を一定限度にとどめて大量の物品の運送にあたる運送人を保護し、あわせて賠償すべき損害の範囲を画一化してこれに関する紛争を防止するところにあるものと解される。したがつて、実際に生じた損害が右条項所定の運送品の価格を下回る場合にも、原則として運送人は右価格相当の損害賠償責任を負うのであつて、運送人に悪意又は重過失がありその損害賠償責任について同法五八一条が適用される場合にも、その責任が右価格より軽減されることがないのは、もちろんである。しかしながら、前記のような立法趣旨からして、右五八〇条一項は、運送品が全部減失したにもかかわらず荷送人又は荷受人に全く損害が生じない場合についてまで運送人に損害賠償責任を負わせるものではなく、このような場合には、運送人はなんら損害賠償責任を負わないものと解するのが相当である。

 ところで、本件において、仮に上告人Bの前記主張のとおり本件物件が被上告人Aの所有ではなく、たまたま右物件の配送を受けたF商事の所有であるとすれば、右被上告人に損害が発生したか否かを判断するためには、更に具体的事実関係を審究することを要するものというべきである。


と、判示しています。



したがって、上記記述は、誤りです。