刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2153

乙:Tables turned before I knew

出典:https://genius.com/Conor-albert-and-elsas-stuck-in-the-middle-lyrics

感想:アルクによると、turn the tablesは、形勢[立場]を逆転させる、という意味です。


今日の問題は、新司法試験平成18年民事系第50問イです。

株主総会決議に関する(中略)
イ. 取締役選任の株主総会決議取消訴訟が係属中,その決議に基づき選任された取締役が任期満了により退任し,その後の株主総会の決議によって取締役が新たに選任された場合には,特段
の事情がない限り,決議取消しの訴えは,訴えの利益を欠く。

甲先生、よろしくお願いします!


甲:最判昭和45年4月2日は

「形成の訴は、法律の規定する要件を充たすかぎり、訴の利益の存するのが通常であるけれども、その後の事情の変化により、その利益を欠くに至る場合がある(当裁判所昭和三三年(オ)第一〇九七号同三七年一月一九日第二小法廷判決、民集一六巻一号七六頁参照)。しかして、株主総会決議取消の訴は形成の訴であるが、役員選任の総会決議取消の訴が係属中、その決議に基づいて選任された取締役ら役員がすべて任期満了により退任し、その後の株主総会の決議によつて取締役ら役員が新たに選任され、その結果、取消を求める選任決議に基づく取締役ら役員がもはや現存しなくなつたときは、右の場合に該当するものとして、特別の事情のないかぎり、決議取消の訴は実益なきに帰し、訴の利益を欠くに至るものと解するを相当とする。
 叙上の見地に立つて、本件につきかかる特別事情が存するか否かを見るに、原審の認定したところによれば、上告人らの取消を求める株主総会の決議によつて選任された取締役らは、いずれもすべて任期終了して退任しているというのであるところ、所論は、取消し得べき決議に基づいて選任された取締役の在任中の行為について会社の受けた損害を回復するためには、今なお当該決議取消の利益があるものと主張し、そのいうところは、本件取消の訴は、会社の利益のためにすると主張するものと解されるところがある。しかして、株主総会決議取消の訴は、単にその訴を提起した者の個人的利益のためのみのものでなく、会社企業自体の利益のためにするものであるが、上告人は、右のごとき主張をするにかかわらず本件取消の訴が会社のためにすることについて何等の立証をしない以上、本件について特別事情を認めるに由なく、結局本件の訴は、訴の利益を欠くに至つたものと認める外はない。原判決には何等所論の違法はなく、論旨は採用し得ない。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、正しいです。