刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2307

乙:今日の問題は、平成25年予備試験民法第2問アです。

 

表見代理に関する(中略)
ア.本人から登記申請を委任された者が,その権限を越えて,本人を代理して第三者と取引行為をした場合において,その登記申請の権限が本人の私法上の契約による義務を履行するために付与されたものであり,第三者が代理人に権限があると信ずべき正当な理由があるときは,委任された登記申請の権限を基本代理権とする表見代理が成立する。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

 

甲:What's Steven doing sitting, peering out the window

 

出典:https://genius.com/Meat-wave-sham-king-lyrics

 

感想:アルクによると、peer out the windowは、窓からじっと見詰める、という意味です。

 

 

乙:民法110条は

 

「前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。」

 

同法109条1項本文は

 

「第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。」

 

と、規定しています。

 

最判昭和46年6月3日は

 

「 思うに、原審の確定するところによれば、被上告人は、さきに自己所有の土地一
筆をDに贈与しており、Dの求めに応じて、右土地につき同人に対する所有権移転
登記手続をするため、実印、印鑑証明書および右土地の登記済証を同人に交付したところ、同人は被上告人の承諾を得ることなく右実印等を使用して上告人との間に本件連帯保証契約を締結したというのであつて、被上告人がDに委任したという所有権移転登記手続は、被上告人にとつては、Dに対する贈与契約上の義務の履行のための行為にほかならないものと解せられる。すなわち、登記申請行為が公法上の行為であることは原判示のとおりであるが、その行為は右のように私法上の契約に基づいてなされるものであり、その登記申請に基づいて登記がなされるときは契約上の債務の履行という私法上の効果を生ずるものであるから、その行為は同時に私法上の作用を有するものと認められる。そして、単なる公法上の行為についての代理権は民法一一〇条の規定による表見代理の成立の要件たる基本代理権にあたらないと解すべきであるとしても、その行為が特定の私法上の取引行為の一環としてなされるものであるときは、右規定の適用に関しても、その行為の私法上の作用を看過することはできないのであつて、実体上登記義務を負う者がその登記申請行為を他人に委任して実印等をこれに交付したような場合に、その受任者の権限の外観に対する第三者の信頼を保護する必要があることは、委任者が一般の私法上の行為の代理権を与えた場合におけると異なるところがないものといわなければならない。
したがつて、本人が登記申請行為を他人に委任してこれにその権限を与え、その他人が右権限をこえて第三者との間に行為をした場合において、その登記申請行為が本件のように私法上の契約による義務の履行のためになされるものであるときは、その権限を基本代理権として、右第三者との間の行為につき民法一一〇条を適用し、表見代理の成立を認めることを妨げないものと解するのが相当である。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。