刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2343

乙:今日の問題は、令和4年予備試験民事訴訟法第36問エです。

 

重複する訴えの提起の禁止に関する(中略) 
エ.本訴及び反訴の係属中に、反訴原告が、反訴請求債権を自働債権とし、本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは、許されない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:You have known it all along
Like a good old song

 

出典:https://genius.com/En-attendant-ana-same-old-story-lyrics

 

感想:アルクによると、all alongは、最初からずっと、などの意味です。

 

乙:民事訴訟法142条は

 

「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」

 

と、規定しています。

 

最判平成18年4月14日は

 

「(1) 本件相殺は,反訴提起後に,反訴請求債権を自働債権とし,本訴請求債権を受働債権として対当額で相殺するというものであるから,まず,本件相殺と本件反訴との関係について判断する。
係属中の別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは,重複起訴を禁じた民訴法142条の趣旨に反し,許されない(最高裁昭和62年(オ)第1385号平成3年12月17日第三小法廷判決・民集45巻9号1435頁)。
しかし,本訴及び反訴が係属中に,反訴請求債権を自働債権とし,本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは禁じられないと解するのが相当である。この場合においては,反訴原告において異なる意思表示をしない限り,反訴は,反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力ある判断が示された場合にはその部分については反訴請求としない趣旨の予備的反訴に変更されることになるものと解するのが相当であって,このように解すれば,重複起訴の問題は生じないことになるからである。そして,上記の訴えの変更は,本訴,反訴を通じた審判の対象に変更を生ずるものではなく,反訴被告の利益を損なうものでもないから,書面によることを要せず,反訴被告の同意も要しないというべきである。
本件については,前記事実関係及び訴訟の経過に照らしても,上告人らが本件相殺を抗弁として主張したことについて,上記と異なる意思表示をしたことはうかがわれないので,本件反訴は,上記のような内容の予備的反訴に変更されたものと解するのが相当である。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。