刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2510

乙:今日の問題は、令和4年予備試験刑事訴訟法第18問アです。

 

ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。(中略)
ア.身体の拘束を受けている被疑者に、取調べのために出頭し滞留する義務があると解することは、直ちに被疑者からその意思に反して供述することを拒否する自由を奪うことを意味するものではない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:You seem to fill the void But I feel more alone Than I ever did

 

出典:https://youtu.be/JciA9NO05zY

 

感想:アルクによると、fill a voidは、むなしさを埋める、などの意味です。

 

最判平成11年3月24日は

 

「 このような刑訴法三九条の立法趣旨、内容に照らすと、捜査機関は、弁護人等から被疑者との接見等の申出があったときは、原則としていつでも接見等の機会を与えなければならないのであり、同条三項本文にいう「捜査のため必要があるとき」とは、右接見等を認めると取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に限られ、右要件が具備され、接見等の日時等の指定をする場合には、捜査機関は、弁護人等と協議してできる限り速やかな接見等のための日時等を指定し、被疑者が弁護人等と防御の準備をすることができるような措置を採らなければならないものと解すべきである。そして、弁護人等から接見等の申出を受けた時に、捜査機関が現に被疑者を取調べ中である場合や実況見分、検証等に立ち会わせている場合、また、間近い時に右取調べ等をする確実な予定があって、弁護人等の申出に沿った接見等を認めたのでは、右取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合などは、原則として右にいう取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に当たると解すべきである(前掲昭和五三年七月一〇日第一小法廷判決、前掲平成三年五月一〇日第三小法廷判決、前掲平成三年五月三一日第二小法廷判決参照)。
 なお、所論は、憲法三八条一項が何人も自己に不利益な供述を強要されない旨を定めていることを根拠に、逮捕、勾留中の被疑者には捜査機関による取調べを受忍する義務はなく、刑訴法一九八条一項ただし書の規定は、それが逮捕、勾留中の被疑者に対し取調べ受忍義務を定めているとすると違憲であって、被疑者が望むならいつでも取調べを中断しなければならないから、被疑者の取調べは接見交通権の行使を制限する理由にはおよそならないという。しかし、身体の拘束を受けている被疑者に取調べのために出頭し、滞留する義務があると解することが、直ちに被疑者からその意思に反して供述することを拒否する自由を奪うことを意味するものでないことは明らかであるから、この点についての所論は、前提を欠き、採用することができない。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。