刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2689

乙:今日の問題は、令和4年予備試験行政法第20問エです。

 

取消訴訟の審理に関する次のアからエまでの各記述について、行政事件訴訟法又は最高裁判所の
判例に照らし(中略)
エ.行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において、不開示とされた文書を目的とする検証を被告に受忍義務を負わせて行うことは、原告が検証への立会権を放棄した場合であっても、許されない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:You still keep me on my toes

 

出典:https://youtu.be/8IkHp_N-Vfo?feature=shared

 

感想:アルクによると、keep on one's toes
気を付ける、

 

乙:最決平成21年1月15日は

 

「(3) この点,原審は,情報公開法にはインカメラ審理に関する明文の規定は設けられていないものの,裁判所が情報公開訴訟において不開示事由該当性の判断を適正に行うために不開示とされた文書を直接見分することが必要不可欠であると考
えた場合には,インカメラ審理をすることができるとする。
しかしながら,平成8年に制定された民訴法には,証拠調べとしてのインカメラ審理を行い得る旨の明文の規定は設けられなかった。なお,同法には,文書提出義務又は検証物提示義務の存否を判断するためのインカメラ手続に関する規定が設けられ(平成13年法律第96号による改正前の民訴法223条3項,232条1項),その後,特許法,著作権法等にも同様の規定が設けられたが(特許法105条2項,著作権法114条の3第2項等),これらの規定は,いずれも証拠申出の採否を判断するためのインカメラ手続を認めたものにすぎず,証拠調べそのものを非公開で行い得る旨を定めたものではない。
そして,平成11年に制定された情報公開法には,情報公開審査会が不開示とされた文書を直接見分して調査審議をすることができる旨の規定が設けられたが(平成13年法律第140号による改正前の情報公開法27条1項),裁判所がインカメラ審理を行い得る旨の明文の規定は設けられなかった。これは,インカメラ審理については,裁判の公開の原則との関係をめぐって様々な考え方が存する上,相手方当事者に吟味,弾劾の機会を与えない証拠により裁判をする手続を認めることは,訴訟制度の基本にかかわるところでもあることから,その採用が見送られたものである。その後,同13年に民訴法が改正され,公務員がその職務に関し保管し又は所持する文書についても文書提出義務又は検証物提示義務の存否を判断するためのインカメラ手続を行うことができることとされたが(民訴法223条6項,232条1項),上記改正の際にも,情報公開法にインカメラ審理に関する規定は設けられなかった。
以上に述べたことからすると,現行法は,民訴法の証拠調べ等に関する一般的な規定の下ではインカメラ審理を行うことができないという前提に立った上で,書証及び検証に係る証拠申出の採否を判断するためのインカメラ手続に限って個別に明文の規定を設けて特にこれを認める一方,情報公開訴訟において裁判所が不開示事由該当性を判断するために証拠調べとして行うインカメラ審理については,あえてこれを採用していないものと解される。
(4) 以上によれば,本件不開示文書について裁判所がインカメラ審理を行うことは許されず,相手方が立会権の放棄等をしたとしても,抗告人に本件不開示文書の検証を受忍すべき義務を負わせてその検証を行うことは許されないものというべきであるから,そのために抗告人に本件不開示文書の提示を命ずることも許されないと解するのが相当である。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。