刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 206

乙:ポーカーお疲れ様でした!

今日の問題は

政府は,憲法第9条第2項は自衛のために必要な最小限度の実力,すなわち自衛力の保持を禁じていないという立場をとっている。その論拠は,同条第1項は「国際紛争を解決する手段として」の戦争,すなわち侵略戦争を放棄するものであることと,同条第2項冒頭の「前項の目的を達するため」という文言からして,同条項における「戦力」の不保持は侵略戦争の放棄という目的にとって必要な限りのものであるということである。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?

甲:ステふりできてないね。。

憲法9条は

「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」


と、規定しています。

「国際法上の用例を尊重するならば、九条一項で放棄されているのは侵略戦争であり、自衛戦争は放棄されていないと解されることになる(甲説)。これに対して、従来の国際法上の解釈にとらわれずに、およそ戦争はすべて国際紛争を解決する手段としてなされるのであるから、一項において自衛戦争も含めてすべての戦争が放棄されていると解すべきであると説く見解(乙説)も有力である。

(中略)
甲説をとっても、二項について、「前項の目的を達するため」に言う「前項の目的」とは、戦争を放棄するに至った動機を一般的に指すにとどまると解し、二項では、一切の戦力の保持が禁止され、交戦権(本章四参照)も否認されていると解釈すれば、自衛のための戦争を行うことはできず、結局すべての戦争が禁止されていることになるので、乙説と結論は異ならなくなる。これが通説であり、従来、政府もほぼこの立場をとってきた。」
芦部信喜『憲法 第四版』岩波書店、57-58頁

「政府の公定解釈(中略)によると、自衛権は国家固有の権利として、憲法九条の下でも否定されていない。そして、自衛権を行使するための実力を保持することは憲法上許される。つまり、自衛のための必要最小限度の実力は、憲法で保持することを禁じられている「戦力」にあたらない」

同62頁

したがって、自衛隊が「戦力」(9条2項)にあたるとしている点で、上記記述は、誤りです。