刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 2753

乙:今日の問題は、令和3年予備試験憲法第1問ウです。

 

私人間における人権保障に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨
に照らして(中略)
ウ.労働組合の活動に対する組合員の協力義務の範囲は,問題とされている具体的な組合活動の
内容・性質,組合員に求められる協力の内容・程度・態様等を比較考量し,多数決原理に基づく組合活動の実効性と組合員個人の基本的利益の調和という観点から,合理的な限定を加えられるべきである。それゆえ,組合員は,組合が支援する公職選挙候補者が所属する政党への寄付のために徴収する臨時組合費について納入義務を負わない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:You're escaping the memories
And making peace with the enemy
'Cause you know right where you wanna be

 

出典:https://youtu.be/_Q8uMBFswWM?feature=shared

 

感想:アルクによると、make peace withは、~と仲直りする、などの意味です。

 

乙:最判昭和50年11月28日は

 

「 しかし、このように労働組合の活動の範囲が広く、かつ弾力的であるとしても、そのことから、労働組合がその目的の範囲内においてするすべての活動につき当然かつ一様に組合員に対して統制力を及ぼし、組合員の協力を強制することができるものと速断することはできない。労働組合の活動が組合員の一般的要請にこたえて拡大されるものであり、組合員としてもある程度まではこれを予想して組合に加入するのであるから、組合からの脱退の自由が確保されている限り、たとえ個々の場合に組合の決定した活動に反対の組合員であつても、原則的にはこれに対する協力義務を免れないというべきであるが、労働組合の活動が前記のように多様化するにつれて、組合による統制の範囲も拡大し、組合員が一個の市民又は人間として有する自由や権利と矛盾衝突する場合が増大し、しかも今日の社会的条件のもとでは、組合に加入していることが労働者にとつて重要な利益で、組合脱退の自由も事実上大きな制約を受けていることを考えると、労働組合の活動として許されたものであるというだけで、そのことから直ちにこれに対する組合員の協力義務を無条件で肯定することは、相当でないというべきである。それゆえ、この点に関して格別の立法上の規制が加えられていない場合でも、問題とされている具体的な組合活動の内容・性質、これについて組合員に求められる協力の内容・程度・態様等を比較考量し、多数決原理に基づく組合活動の実効性と組合員個人の基本的利益の調和という観点から、組合の統制力とその反面としての組合員の協力義務の範囲に合理的な限定を加えることが必要である。」

 

「 五 政治意識昂揚資金について
右資金は、総選挙に際し特定の立候補者支援のためにその所属政党に寄付する資金であるが、政党や選挙による議員の活動は、各種の政治的課題の解決のために労働者の生活利益とは関係のない広範な領域にも及ぶものであるから、選挙において
どの政党又はどの候補者を支持するかは、投票の自由と表裏をなすものとして、組合員各人が市民としての個人的な政治的思想、見解、判断ないしは感情等に基づいて自主的に決定すべき事柄である。したがつて、労働組合が組織として支持政党又はいわゆる統一候補を決定し、その選挙運動を推進すること自体は自由であるが(当裁判所昭和三八年(あ)第九七四号同四三年一二月四日大法廷判決・刑集二二巻一三号一四二五頁参照)、組合員に対してこれへの協力を強制することは許されないというべきであり、その費用の負担についても同様に解すべきことは、既に述べたところから明らかである。これと同旨の理由により本件政治意識昂揚資金について被上告人らの納付義務を否定した原審の判断は正当であつて、所論労働組合法又は民法の規定の解釈適用を誤つた違法はない。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。

しほうちゃれんじ 2752

乙:今日の問題は、令和3年司法試験憲法第18問ウです。

 

憲法第89条後段の「公の支配」の意義に関し,「国又は地方公共団体が,法令等により一定の監督をしていることで足りる」とする見解があるが,次のアからウまでの各記述について,かかる見解の根拠となる記述には○を,根拠とはならない記述には×を付した場合(中略)
ウ.憲法第89条後段が,慈善,教育,博愛を特に掲げ,それを同条前段の宗教団体に対する公金支出等の禁止と一体のものとして定めていることを重視すべきである。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:Throw your sticks and your stones
Throw your bombs and your blows

 

出典:https://youtu.be/uuwfgXD8qV8?feature=shared

 

感想:アルクによると、sticks and stoneは、身代わり、という意味です。

 

乙:憲法89条は


「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」


と、規定しています。

 

「本肢の記述は,89条後段の趣旨について,いわゆる中立性確保説(89条後段の趣旨は,政教分離の補完,すなわち,特定の宗教的信念に基づくことの多い私人による教育等の事業に,国の財政的援助によって宗教や特定の思想信条が浸透するのを防止する点にあると解する見解)の立場に立つものである。中立性確保説は,89条後段が同条前段と一体のものとして定められていることを重視し,「慈善,教育若しくは博愛の事業」への公金の支出が宗教上の組織・団体への支援の脱法手段となりがちであるという理由に基づくものである。

 そして,中立性確保説からすれば,憲法14条,23条,25条,26条などの他の条項との総合的解釈を行い,私立学校法及び私立学校振興助成法による監督の程度をもって,「公の支配」に当たると解することとなる。」

 

株式会社 東京リーガルマインド『司法試験&予備試験 単年度版 短答過去問題集(法律基本科目)令和3年』260頁

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。

しほうちゃれんじ 2751

乙:今日の問題は、令和3年司法試験憲法第18問イです。

 

憲法第89条後段の「公の支配」の意義に関し,「国又は地方公共団体が,法令等により一定の監督をしていることで足りる」とする見解があるが,次のアからウまでの各記述について,かかる見解の根拠となる記述には○を,根拠とはならない記述には×を付した場合(中略)
イ.憲法第89条後段の趣旨は,財政民主主義の見地から,慈善,教育,博愛の事業に対する公金の支出が公の財産の濫費,濫用にならないように,国や地方公共団体が監督することにある。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:Wishing from afar
But blood cuts cold into the lungs
Of a beast

 

出典:https://genius.com/Tuudi-just-like-before-lyrics

 

感想:アルクによると、from afarは、遠くから、という意味です。

 

乙:憲法89条は

 

「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」

 

と、規定しています。

 

「本肢の記述は,89条後段の趣旨について,いわゆる公費濫用防止説(89条後段の趣旨は,財政民主主義の見地から,慈善,教育,博愛の事業に対する公金の支出が公の財産の濫費,濫用にならないように,国や地方公共団体が監督する点にあると解する見解)の立場に立つものである。公費濫用防止説は,目的の公共性や,慈善・教育・博愛の美名の下に,公費が濫用されやすいという理由に基づくものである。

 そして,公費濫用防止説からすれば,公金の支出が公の財産の濫費・濫用にならないように,国や地方公共団体が一定の監督をすることができれば,89条後段の趣旨を全うできるため,「公の支配」の意義については,いわゆる緩和説と結びつく。」

 

株式会社 東京リーガルマインド『司法試験&予備試験 単年度版 短答過去問題集(法律基本科目)令和3年』260頁

 

 

したがって、上記記述は、根拠となります。

しほうちゃれんじ 2750

乙:今日の問題は、令和3年司法試験憲法第15問アです。

 

内閣及び内閣総理大臣に関する(中略)
ア.内閣の総辞職について定める憲法第70条の「内閣総理大臣が欠けたとき」には内閣総理大臣の辞職の場合を含まないとする見解によっても,その首長たる地位に鑑みれば,内閣総理大臣が辞職したときには,内閣は総辞職しなければならない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:When you know me
Better than I know
The back of my hand

 

出典:https://youtu.be/wlO8xYPjE4w?feature=shared

 

感想:アルクによると、know ~ like the back of one's handは、~をよく知っている、などの意味です。

 

乙:憲法70条は

 

「内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。」

 

と、規定しています。

 

「内閣総理大臣の辞職は,70条の「内閣総理大臣が欠けたとき」には含まれないとする見解によっても,内閣総理大臣は首長たる地位を有するため,首長たる内閣総理大臣が辞職したときには,直ちに内閣の同一性が喪失し,内閣の総辞職を伴うと解するのが議院内閣制にもかなうと解されている。」

 

株式会社 東京リーガルマインド『司法試験&予備試験 単年度版 短答過去問題集(法律基本科目)令和3年』252頁

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。

しほうちゃれんじ 2749

乙:今日の問題は、令和3年司法試験憲法第13問イです。

 

憲法第9条の解釈に関する次のアからウまでの各記述について,bの見解がaの見解の批判とな
っている場合(中略)
イ.a.憲法第9条第1項は,侵略戦争を放棄しているが,自衛戦争は放棄しておらず,同条第
2項にいう「前項の目的」とは,第1項全体の精神,すなわち「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」を指し,第2項によって警察力を上回る実力の保持が禁じられている。
b.日本国憲法には,第66条第2項の文民条項を除き,戦争開始の決定手続や軍隊の編制に関する規定が存在しない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:There’s a nutter on the loose and they're walking the streets

 

出典:https://youtu.be/ISvRuQEmvKY?feature=shared

 

感想:アルクによると、on the looseは、〔脱獄囚・飼育動物などが〕逃亡して、などの意味です。

 

乙:憲法9条1項は

 

「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

 

と、規定しています。

 

「以上の戦争の放棄には、「国際紛争を解決する手段としては」という留保が付されている。従来の国際法上の通常の用語例(たとえば不戦条約一条参照)によると、「国際紛争を解決する手段としての戦争」とは、「国家の政策の手段としての戦争」と同じ意味であり、具体的には、侵略戦争を意味する。このような国際法上の用例を尊重するならば、九条一項で放棄されているのは侵略戦争であり、自衛戦争は放棄されていないと解されることになる(甲説)。これに対して、従来の国際法上の解釈にとらわれずに、およそ戦争はすべて国際紛争を解決する手段としてなされるのであるから、一項において自衛戦争も含めてすべての戦争が放棄されていると解すべきであると説く見解(乙説)も有力である。」

 

「甲説をとっても、二項について、「前項の目的を達するため」に言う「前項の目的」とは、戦争を放棄するに至った動機を一般的に指すにとどまると解し、二項では、一切の戦力の保持が禁止され、交戦権も否認されていると解釈すれば、自衛のための戦争を行うことはできず、結局すべての戦争が禁止されていることになるので、乙説と結論は異ならなくなる。これが通説であり、従来、政府もほぼこの立場をとってきた。

 ただし、九条一項は侵略戦争のみを放棄しているとして、前述の甲説の解釈をとる一方で、二項については、「前項の目的を達するため」とは、「侵略戦争放棄の目的を達するため」ということであり、したがって、二項は、侵略戦争放棄のための戦力は保持しないとの意であり、また交戦権の否認は交戦国がもつ諸権利は認めないとの意を述べるにとどまると解する説もある。」

 

「しかし、この説には次のような問題がある。①日本国憲法には、六六条二項の文民条項以外は、戦争ないし軍隊を予定した規定がまったく存在しないこと」「などがそれである。」

 

芦部信喜『憲法』57-58頁

 

 

したがって、上記記述は、批判となっていません。

しほうちゃれんじ 2748

乙:今日の問題は、令和3年司法試験憲法第2問イです。

 

憲法の明文で規定されていない権利・自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして(中略)
イ.学籍番号,氏名,住所及び電話番号といった個人情報は,大学が個人識別等を行うための単純な情報である。それゆえ,このような個人情報については,プライバシーに係る情報として法的保護の対象とはならない。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:In this garden, we’ll be fine

We’ll beat the time

 

出典:https://youtu.be/8gvreMTBwC4?feature=shared

 

感想:アルクによると、beat the timeは、時間を有効に使う、という意味です。

 

乙:最判平成15年9月12日は

 

「 (1) 本件個人情報は,D大学が重要な外国国賓講演会への出席希望者をあらかじめ把握するため,学生に提供を求めたものであるところ,学籍番号,氏名,住所及び電話番号は,D大学が個人識別等を行うための単純な情報であって,その限りにおいては,秘匿されるべき必要性が必ずしも高いものではない。また,本件講演会に参加を申し込んだ学生であることも同断である。しかし,このような個人情報についても,本人が,自己が欲しない他者にはみだりにこれを開示されたくないと考えることは自然なことであり,そのことへの期待は保護されるべきものであるから,【要旨1】本件個人情報は,上告人らのプライバシーに係る情報として法的保護の対象となるというべきである。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。

しほうちゃれんじ 2747

乙:今日の問題は、令和3年予備試験刑事訴訟法第26問オです。

 

刑事事件の上告審に関する(中略)
オ.上告審は法律審であるが,上告裁判所である最高裁判所は,上告趣意書に包含された事項を調査するについて必要があるときは,検察官,被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調べをすることができる。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:Oh, it's all slow nights

 

出典:https://youtu.be/TOB7qMdEfm8?feature=shared

 

感想:アルクによると、slow night for the policeは、警察にとって忙しくない夜、などの意味です。

 

乙:刑事訴訟法405条は

 

「高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。
一 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。
二 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
三 最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。」

 

同法414条は

 

「前章の規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、上告の審判についてこれを準用する。」

 

同法392条1項は

 

「控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。」

 

同法393条1項本文は

 

「控訴裁判所は、前条の調査をするについて必要があるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で事実の取調をすることができる。」

 

と、規定しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。