刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2167

乙:Just let it slide
It's a state of mind

出典:https://genius.com/Haai-baby-were-ascending-lyrics

感想:アルクによると、let ~ slideは、~を成り行きに任せる、などの意味です。

今日の問題は、予備試験令和元年民法第3問アイウエです。

物権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(中略)
ア.物権は,一筆の土地の一部について成立することはない。
イ.不特定物を売買契約の目的とした場合,その目的物が特定しない限り,所有権は買主に移転
しない。
ウ.複数の物の上に一つの物権の効力が及ぶことはない。
エ.金銭の所有権者は,その占有者と一致しないことがある。

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

甲:〽️はーるーこーうーろーううーのーー


乙:アについて

「その意味で,独立性の要件も,あくまで取引安全を図る限りで有用性を認められる原則というべきである.したがって,土地の単位である1筆の土地の一部について,取得時効の成立や譲渡も可能とされている.」

内田貴『民法Ⅰ 第4版 総則・物権総論』359頁


イについて、民法401条2項は

「前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。」

最判昭和35年6月24日は

「不特定物の売買においては原則として目的物が特定した時(民法四〇一条二項参照)に所有権は当然に買主に移転するものと解すべきであるから、右判決が「不特定物の売買においては、特に売主にその所有権を留保するという特約が存しない以上特定の時をもつて所有権が買主に移転するものと見るべきである」旨判示したのは正当」

と、判示しています。


ウについて、最判昭和54年2月15日は

「構成部分の変動する集合動産についても、その種類、所在場所及び量的範囲を指定するなどなんらかの方法で目的物の範囲が特定される場合には、一個の集合物として譲渡担保の目的となりうる」

と、判示しています。


エについて、最判昭和39年1月24日は

「金銭は、特別の場合を除いては、物としての個性を有せず、単なる価値そのものと考えるべきであり、価値は金銭の所在に随伴するものであるから、金銭の所有権者は、特段の事情のないかぎり、その占有者と一致すると解すべきであり、また金銭を現実に支配して占有する者は、それをいかなる理由によつて取得したか、またその占有を正当づける権利を有するか否かに拘わりなく、価値の帰属者即ち金銭の所有者とみるべきものである(昭和二九年一一月五日最高裁判所第二小法廷判決、刑集八巻一一号一六七五頁参照)。」

と、判示しています。


したがって、上記記述は、アとウが誤りで、イとエが正しいです。