刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

刑事裁判の歴史と展望あれこれを広めます https://mementomo.hatenablog.com/entry/39862573

しほうちゃれんじ 2434

乙:今日の問題は、令和3年予備試験民事訴訟法第44問3です。

 

控訴に関する(中略)
3.XがYに対して選択的に債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求める訴えを提起したところ,第一審裁判所は,不法行為に基づく損害賠償請求の一部を認容し,その余の請求を棄却するとの判決をした。これに対し,Yが控訴をしたが,Xは控訴と附帯控訴をしなかった場合において,控訴裁判所が不法行為に基づく損害賠償請求の全部を棄却すべきと判断したとき
は,控訴裁判所は,債務不履行に基づく損害賠償請求権の有無について判断するまでもなく,第一審判決を取り消してXの請求をいずれも棄却するとの判決をすることができる。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:We can never move on

 

出典:https://www.lyreka.com/song/skies-behind-ghost-lyrics

 

感想:アルクによると、move onは、気持ちを切り替える、などの意味です。

 

乙:最判昭和58年4月14日は

 

「しかしながら、原告が甲請求と乙請求とを選択的併合として申し立てている場合、
原告の意思は、一つの申立が認容されれば他の申立はこれを撤回するが、一つの申立が棄却されるときには他の申立についても審判を求めるというものであることは明らかであつて、この意思は、原告が併合形態を変更しない限り、全審級を通じて維持されているものというべきであり、選択的併合の申立が訴訟法上適法なものと認められるべきものである以上、原告の意思に右のような内容の効力を認めるべきものであるから、甲請求につきその一部を認容し、原告のその余の請求を棄却した第一審判決に対し、被告が控訴の申立をし、原告が控訴及び附帯控訴の申立をしなかつた場合でも、控訴審としては、第一審判決の甲請求の認容部分を取り消すべきであるとするときには、乙請求の当否につき審理判断し、これが理由があると認めるときには第一審判決の甲請求の認容額の限度で乙請求を認容すべきであり、乙請求を全部理由がないと判断すべきときに至つてはじめて原告の請求を全部棄却しうるものと解すべきである。
 しかるに、原判決は、前示のように、第一審判決の被上告人敗訴の部分を取り消し、右部分について上告人の債務不履行に基づく請求を棄却すべきものとしながら、
不法行為に基づく請求については、これを棄却した第一審判決に対して上告人から控訴及び附帯控訴の申立がないとの理由のみをもつて原審の審判対象でないとし、その当否について判断をしていないが、右原審の判断は、選択的併合訴訟における控訴審の審判対象についての法令の解釈適用を誤つた違法なものというべきであり、その違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、誤りです。