乙:今日の問題は、令和4年司法試験憲法第15問イです。
内閣及び内閣総理大臣に関する(中略)
イ.内閣は憲法第73条第1号により法律を誠実に執行する義務を負っているが、最高裁判所が違憲と判断した法律については、国会がこれを改廃する前であっても、内閣は、その執行を差し控えることができる。
甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?
甲:I don't know, to me you're a dying breed
One that is not likely to be highly missed
出典:https://www.azlyrics.com/lyrics/honeymoan/showyouoff.html
感想:アルクによると、dying breedは、消えつつある種族、などの意味です。
乙:憲法73条1号は
「内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。」
同法81条は
「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」
と、規定しています。
「「誠実に執行」するとは、たとえ内閣の賛成できない法律であっても、法律の目的にかなった執行を行うことを義務付ける趣旨であり、法律が違憲かどうかの判断については、国会の判断が優先され、内閣は国会の判断に拘束される。ただし、憲法上、裁判所は違憲審査権(81)を有していることから、最高裁判所が違憲と判断した法律については、内閣は、その法律の執行義務を解除されるものと解されている。」
株式会社 東京リーガルマインド LEC総合研究所 司法試験部『司法試験&予備試験 単年度版 短答過去問題集(法律基本科目) 令和4年』256頁
したがって、上記記述は、正しいです。