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しほうちゃれんじ 2569

乙:今日の問題は、令和4年予備試験憲法第11問アです。

 

合憲限定解釈に関する次のアからウまでの各記述について、bの見解がaの見解の批判となっている場合(中略)
ア.a.関税法により輸入が禁止されている「風俗を害すべき書籍、図画」等について、合理的に解釈すれば、「風俗」とは専ら性的風俗を意味し、輸入禁止の対象とされるのは、わいせつな書籍、図画等に限られる。
b.表現の自由を規制する法律の規定には明確性が求められることに鑑みると、わいせつ表現物の輸入のみを規制しようとするのであれば、「わいせつな書籍、図画」等と具体的に規定すべきである。

 

甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:Moon, tell me if I could 
Send up my heart to you 

 

出典:https://youtu.be/vx4kLgnFexo?feature=shared

 

感想:アルクによると、send upは、上げる、などの意味です。

 

乙:最大判昭和59年12月12日は

 

「 したがつて、関税定率法二一条一項三号にいう「風俗を害すべき書籍、図画」等との規定を合理的に解釈すれば、右にいう「風俗」とは専ら性的風俗を意味し、右規定により輸入禁止の対象とされるのは猥褻な書籍、図画等に限られるものということができ、このような限定的な解釈が可能である以上、右規定は、何ら明確性に欠けるものではなく、憲法二一条一項の規定に反しない合憲的なものというべきである。」

 

同判例の反対意見は

 

「 三 多数意見は、関税定率法二一条一項三号の「風俗を害すべき書籍、図画」等を猥褻表現物に限ると限定解釈をした上で、合憲であるという。しかし、表現の自由が基本的人権の中でも最も重要なものであることからすると、これを規制する法律の規定についての限定解釈には他の場合よりも厳しい枠があるべきであり、規制の目的、文理及び他の条規との関係から合理的に導き出し得る限定解釈のみが許されるのである。「風俗を害すべき書籍、図画」等を猥褻表現物に限るとする解釈は、右の限界を超えるものというべきであるのみならず、右のような解釈が通常の判断能力を有する一般人に可能であるとは考えられない。さらに、表現の自由を規制する法律の規定が明確かどうかを判断するには、より明確な立法をすることが可能かどうかも重要な意味を持つと解されるが、多数意見のいうように、同号の「風俗を害すべき書籍、図画」等という規定が猥褻表現物の輸入のみを規制しようとするものであるとするならば、右規定を「猥褻な書籍、図画」等と規定することによつてより明確なものにすることは、立法上容易なはずである。この点からみても、表現の自由の事前規制の面をもつ同号の右規定が憲法上要求される明確性を充たしたものであるとはいい難く、これに限定解釈を加えることによつて合憲とするのは適切でない。」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、批判となっています。