刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 2692

乙:今日の問題は、令和4年予備試験行政法第23問イです。

 

国家賠償に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例に照らし(中略)
イ.警察官が専ら自己の利を図る目的で職務執行を装って私人Aに職務質問をし、犯罪の証拠物名義で預かった所持品を不法に領得するため拳銃でAを射殺した事案につき、警察官の上記行為は客観的に職務執行の外形を備えているから、国家賠償法第1条第1項にいう公務員が「その職務を行うについて」違法に他人に損害を加えたときに該当する。


甲先生、よろしくお願いします!

こ、甲先生!?

 

甲:I don’t feel for you now 

 

出典:https://youtu.be/r_QUEiUTXZI?feature=shared

 

感想:アルクによると、feel forは、~に同情する、などの意味です。

 

乙:最判昭和31年11月30日は

 

「 原判決は、その理由において、国家賠償法第一条の職務執行とは、その公務員が、その所為に出づる意図目的はともあれ、行為の外形において、職務執行と認め得べきものをもつて、この場合の職務執行なりとするのほかないのであるとし、即ち、同条の適用を見るがためには、公務員が、主観的に権限行使の意思をもつてした職務執行につき、違法に他人に損害を加えた場合に限るとの解釈を排斥し、本件において、D巡査がもつぱら自己の利をはかる目的で警察官の職務執行をよそおい、被害者に対し不審尋問の上、犯罪の証拠物名義でその所持品を預り、しかも連行の途中、これを不法に領得するため所持の拳銃で、同人を射殺して、その目的をとげた、判示のごとき職権濫用の所為をもつて、同条にいわゆる職務執行について違法に他人に損害を加えたときに該当するものと解したのであるが同条に関する右の解釈は正当であるといわなければならない。けだし、同条は公務員が主観的に権限行使の意思をもつてする場合にかぎらず自己の利をはかる意図をもつてする場合でも、客観的に職務執行の外形をそなえる行為をしてこれによつて、他人に損害を加えた場合には、国又は公共団体に損害賠償の責を負わしめて、ひろく国民の権益を擁護することをもつて、その立法の趣旨とするものと解すべきであるからである。(所論は憲法一七条を云為するけれども、原判決は、同条の解釈を示したものでないから、所論は、結局、国家賠償法一条に関する原判決の解釈を争うに帰するものと解すべきである。)」

 

と、判示しています。

 

 

したがって、上記記述は、正しいです。