刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 284

乙:甲先生って、ご結婚なさってるんですか?

今日の問題は

不動産が債務者から受益者は,受益者から転得者へと順次譲渡された場合において,債権者が,債務者の一般財産を回復させるため,受益者を被告として,債務者と受益者との間の譲渡行為を詐害行為として取り消すときは,価格賠償を請求しなければならない。

甲先生、よろしくお願いします!
こ、甲先生!?


甲:面接、むずかしいでしょうが、がんばってください。

乙:最判昭和35年4月26日は

「詐害行為取消権は、詐害の原因たる債務者の法律行為を取り消し、受益者又は転得者がなお債務者の財産を保有するときは直接これを回復し、これを保有しないときはその財産の回復に代えてその賠償をさせ、もつて債務者の一般担保権を確保することを目的とするものである。そして、その財産の回復義務は受益者又は転得者が詐害行為によつて債務者の財産を脱漏させたために生じた責任に基因するものであるから、その財産を他人に譲渡したからといつてこれを免れるものではなく、また財産譲渡の結果利得の残存すると否とを問うものでもないと解さなければならない。本件は、債務者訴外Dが昭和二九年七月八日原判示(甲)不動産につき上告人のためになした抵当権の設定が詐害行為であると主張されているものであるところ、原判決の確定した事実によれば、右不動産については、その後抵当権の実行による競売の申立がなされ、訴外Fは昭和三〇年三月一日競売代金二百三十一万五千円で競落許可決定を得た上、先順位抵当債権を本件抵当債権百五十万円とともに譲り受け、これら譲受債権をもつて競落代金を完納したものであり、本件抵当債権の配当分は先順位抵当債権額を控除した結果百四万七千四百二十五円となつたというのであるから、本件抵当権の設定が取り消されるときは、被上告人はその債権元本四十五万円及びこれに対する遅延損害金を右配当分から総債権者の利益のために弁済をうけうるのであり、この場合被上告人は訴外Fが悪意であれば、同人から直接右金員の弁済を請求することができるが、同人に抵当債権を譲渡した上告人に対してもまた利得に代る賠償として右債権額の限度内の金員の支払を求めることができるものといわなければならない。」

と、判示しています。

したがって、上記記述は、正しいです。